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  • 2019/02/12 掲載

主要Linuxディストリビューションが次々に「MongoDB」の配布を取りやめたワケ

Debian、Fedora、RHELはSSPLのソフトウェアを排除へ

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MongoDBがAWSなど大手クラウドベンダによるサービス化に反発し、商用サービス化を制限する新ライセンスに変更したことは以前の記事で紹介しました。新ライセンスはAGPLをベースにMongoDBが独自に作成したもので、「Server Side Public License」(以下、SSPL)と呼ばれています。

新野淳一(本記事は「Publickey」より転載)

新野淳一(本記事は「Publickey」より転載)

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。

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AWSなどの「オープンソースのいいとこ取り」に開発元が猛反発、続々とライセンス変更

SSPLではサービス提供元もソースコード公開を義務化

 SSPLでは、MongoDBをサービスとして提供する場合、サービス提供元が独自に変更した部分を含めてソースコードを無償で公開しなければならなくなりました。

 以下がその旨を記したSSPL 13条の記述の一部です。

13. Offering the Program as a Service.

 If you make the functionality of the Program or a modified version available to third parties as a service, you must make the Service Source Code available via network download to everyone at no charge, under the terms of this License.

13条 プログラムをサービスとして提供する場合

 もしもこのプログラムもしくは変更したバージョンの機能をサードパーティに対してサービスとして提供する場合、このライセンスの条項の下で、そのサービスのソースコードをネットワーク経由で誰に対しても無償で提供しなければならない。

 もしもSSPLに従ってソースコードを公開したくないのであれば、MongoDB社と別途、商用ライセンスを締結することになります。

 つまり今後MongoDBをサービスとして提供するのであれば、SSPLの下でソースコードを公開しコミュニティに貢献するか、もしくは商用ライセンスの下で開発元であるMongoDBにお金を払うか、どちらかを選ぶことになるわけです。

オープンソースイニシアチブはSSPLについて議論中

 MongoDBはこのSSPLがオープンソースライセンスに合致していることを確認するために、SSPLをオープンソースイニシアチブへ提出しています。

 オープンソースイニシアチブとはオープンソースを促進することを目的とする組織であり、オープンソースを定義する「The Open Source Definition」を公開すると共に、あるライセンスがオープンソースであるかどうかのレビューも行います。

 SSPLはさまざまな議論を呼び起こしているとされていますがまだ議論の過程にあり、オープンソースライセンスに該当するかどうかは未決だと2018年12月のオープンソースイニシアチブのブログで報告されています

 どのような議論が行われているかは「December 2018 License-Review List Summary」でその概要を読むことができます。

【次ページ】 Debian、Fedora、RHELはSSPLのソフトウェアを排除へ

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