ビアサットのインマルサット買収、欧州委が競争低下を懸念

［ブリュッセル　１３日　ロイター］ - 欧州連合（ＥＵ）欧州委員会は１３日、米通信会社ビアサットが７３億ドルで英衛星通信サービスのインマルサットを買収する計画について本格的な調査を開始し、この案件が航空機内のＷｉ－Ｆｉ接続サービス（インフライト・コネクティビティ＝ＩＦＣ）市場の競争低下につながりかねないと警告した。

２０２１年終盤に統合を発表した両社は、ＩＦＣ市場でパナソニックやインテルサットなどと競合関係にある。

ただ欧州委は、ビアサットとインマルサット自体が欧州と世界全域でブロードバンドのＩＦＣを航空会社に提供するという分野でほぼ互角の競争を展開していた点を挙げ、ビアサットがインマルサットを取得すれば、ブロードバンドＩＦＣの競争を弱める可能性があるとの懸念を表明。技術や規制のハードルがあるため新規参入も難しく、代わりを務められるサプライヤーがほとんど存在しないと指摘した。

欧州委は、買収計画を巡る判断を下す期限を６月２９日に設定している。

ビアサットとインマルサットは、欧州委と協議を続けていくと述べた上で、この案件は衛星通信市場の競争促進につながるとの自信を示した。