- 2023/02/21 掲載
英HSBC、金利収入増で第4四半期92%増益 特別配当を計画
[シンガポール/ロンドン 21日 ロイター] - 英金融大手HSBCホールディングスが21日発表した第4・四半期決算は税引き前利益が92%と大幅に増加、アナリスト予想を上回った。金利上昇により純金利収入が拡大した。
カナダ事業の売却に伴い1株当たり0.21ドルの特別配当を支払う計画を明らかにした。
筆頭株主の中国平安保険は株主還元拡大に向けアジア事業分離などの選択肢を模索するようHSBCに圧力をかけており、同行は昨年から資産売却を加速している。
ノエル・クイン最高経営責任者(CEO)は「より高いリターンを実現することで支払い余力が拡大する。カナダ資産の売却が完了した時点で特別配当も検討する」と述べた。
一方、コスト削減は継続するとし、今年は退職金向けに最大3億ドルの追加コストが発生する可能性があると説明した。
四半期配当を年内に再開し、自社株買いの検討を今年第1・四半期に前倒しするとした。
一方、今年以降は有形自己資本利益率を最低でも12%に維持するとの目標は据え置いた。アナリストからは、金利上昇に伴う貸出収入の増加で目標値を引き上げるとの見方が出ていた。
第4・四半期の税引前利益は52億ドルで、前年同期の27億ドルから増加し、同行がまとめたアナリスト予想の49億6000万ドルを上回った。
通年の信用損失予想は36億ドルで、アナリスト予想の32億ドルを上回った。物価高の借り手への影響や中国不動産市場の問題が背景にあると説明した。
通年の利益は175億ドルだった。仏リテール銀行事業の売却に関連した24億ドルの減損処理で前年の189億ドルから減少した。アナリスト22人の予想平均は175億ドルだった。
香港株式市場のHSBC株は2%下落。特別配当が発表されたが、一部で予想されていた有形自己資本利益率の目標引き上げがなく、金利上昇に伴う業績改善がピークを過ぎたのではないかとの見方が出ている。
第4・四半期の信用損失予想は14億ドルに急増。中国の商業用不動産市場や英国企業へのエクスポージャーに関連する費用が含まれている。市場予想は10億5000万ドルだった。
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