- 2023/03/11 掲載
米国株式市場=続落、米銀の健全性巡り懸念
米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、カリフォルニア州規制当局が米金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀を閉鎖したと発表。FDICに加盟する銀行が破綻するのは2年超ぶり。
BMOファミリー・オフィスの最高投資責任者(CIO)、キャロル・シュライフ氏は「FRBの積極的な利上げの結果、金融システムに亀裂が生じる可能性が懸念されている」とし、影響が経済のより幅広い分野に波及するかが懸念材料と述べた。さらに「市場参加者はかなり神経質になっている」と指摘した。
KBW地方銀行株指数は2.4%安、S&P総合500種の金融は1.8%安。
シリコンバレー銀のニュースを受け、注目されていた雇用統計の結果は幾分影を潜めた。統計では、非農業部門雇用者数が31万1000人増と、伸びは市場予想を上回った。同時に失業率は上昇し、賃金の前月比伸び率が鈍化するなど、労働市場が軟化しつつある兆候も示唆した。
パレオ・レオンのマネージングディレクター兼共同CIO、ジョン・プラビーン氏は「銀行システムを巡るめぐる不確実性に注目が集まった」と指摘。「雇用統計が示したポジティブなトーンは、シリコンバレー銀破綻を巡るネガティブな情報に相殺された」と述べた。
S&Pの主要11セクター全てが下落した。不動産が3.3%安で下げを主導。一般消費財は0.5%安の小幅な下げにとどまった。
週足ではS&Pが4.6%安で、昨年9月以来最大の下げを記録。ただ、年初来では0.6%高と、辛うじて上げを維持した。ダウ工業株30種は今週4.4%、ナスダックも4.7%それぞれ下落。年初来では、ダウは3%超、ナスダックは6%超値下がりしている。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は3カ月ぶりの高値となる24.9で終了。一時約5カ月ぶりの高値を付ける場面もあった。
S&Pの銀行株指数は0.5%安。JPモルガン・チェー スが2.5%、ウェルズ・ファーゴが0.6%それぞれ上昇したことが下支えた。
下げが目立ったのはシグネチャー・バンクで22.9%安、ファースト・リパブリックも14.8%安。
衣料品小売大手ギャップは6.3%安。第4・四半期決算は赤字が市場予想以上に膨らんだほか、通年の売上高見通しはアナリスト予想を下回った。
ソフトウエア大手オラクルも3%安。2022年12月─23年2月決算は総売上高が18%増の123億9000万ドルとなったものの、市場予想を小幅下回った。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.75対1の比率で上回った。ナスダックでも4.31対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は151億7000万株。直近20営業日の平均は111億3000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 31909.64 -345.22 -1.07 32185.1 32422.1 31783.
4 0 41
前営業日終値 32254.86
ナスダック総合 11138.89 -199.47 -1.76 11325.3 11373.8 11093.
6 1 86
前営業日終値 11338.36
S&P総合500種 3861.59 -56.73 -1.45 3912.77 3934.05 3846.3
2
前営業日終値 3918.32
ダウ輸送株20種 14209.01 -360.16 -2.47
ダウ公共株15種 887.55 -14.47 -1.60
フィラデルフィア半導体 2923.93 -56.28 -1.89
VIX指数 24.80 +2.19 +9.69
S&P一般消費財 1072.43 -10.60 -0.98
S&P素材 491.26 -10.79 -2.15
S&P工業 835.48 -15.52 -1.82
S&P主要消費財 741.17 -3.39 -0.46
S&P金融 546.28 -9.76 -1.76
S&P不動産 226.20 -7.61 -3.25
S&Pエネルギー 628.78 -9.03 -1.42
S&Pヘルスケア 1443.91 -10.72 -0.74
S&P通信サービス 170.71 -2.47 -1.43
S&P情報技術 2366.99 -41.93 -1.74
S&P公益事業 325.20 -5.28 -1.60
NYSE出来高 13.02億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27595 - 265 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 27525 - 335 大阪比
PR
PR
PR