米暗号資産企業、スイスの銀行に口座開設模索　米銀破綻や規制強化で

[ロンドン １３日 ロイター] - 米国の暗号資産（仮想通貨）企業は、同業界関連の取引が多かった米銀の業務停止を受けて米金融機関の利用が難しくなる中、スイスの銀行に口座を開設しようとしている。

米シルバーゲート・キャピタルは先週、業務を停止して自主的に清算する計画を発表。先週末には、シルバーゲートに代わる選択肢とみられたシグネチャー・バンクが破綻した。

アナリストらは、米銀閉鎖や米国の規制強化の動きを受けて企業は欧州やアジアなどに取引銀行を求めるだろうと指摘する。

ＵＢＳの暗号資産・為替アナリスト、イバン・カチコフスキー氏は「米規制当局は銀行に対し、暗号資産企業と取引する潜在的リスクについて複数の警告を発した。はっきりと禁止はしていないが、不適切とみられることを明確にした」と述べた。

スイスのＳＥＢＡバンクでマネジング・ディレクターを務めるイブ・ロンシャン氏は、米国から同社ウェブサイトへのトラフィックが増えており、スイスのほかシンガポールや香港などのオフィスも企業からの問い合わせ増加を報告していると述べた。

アラブ・バンク（スイス）も、シルバーゲートを巡る懸念を背景にここ数週間で暗号資産関連のファンドやベンチャーキャピタル（ＶＣ）を中心に口座開設の依頼が増えたという。ただ、米国拠点の企業を顧客にするのは規制面の難しさがあるとし、全てに応じられるわけではないとした。