- 2023/03/29 掲載
NY外為市場=ドル下落、銀行懸念緩和で高リスク通貨に買い
[ニューヨーク 28日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、銀行危機に対する懸念が和らぐ中、高リスク通貨に資金が流れ、ドルが下落した。
米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは27日、経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)を買収すると発表。SVBの預金、融資債権、一部資産を引き受けることで管財人である米連邦預金保険公社(FDIC)と合意した。
これを受け市場に安心感が広がり、リスク選好度を敏感に反映しやすい豪ドルは0.77%高の0.67025米ドル。
主要6通貨に対するドル指数は0.31%安の102.43と、先週付けた約7週間ぶり安値(101.91)に迫った。
トレーダーX(ロンドン)のストラテジスト、マイケル・ブラウン氏は「銀行破綻を巡っては格言通りに『便りがないのは良い便り』で、安心感が広まる一助になった」と指摘。「この日の取引は間違いなくポジティブだった」と述べた。
ユーロはユーロ圏国債利回りの上昇を背景に、対ドルで5日ぶり高値を更新。米商務省が朝方、2月の財(モノ)の貿易赤字は0.6%増の916億ドルだったと発表したものの、ドル相場の支援にはならなかった。
ドルは対円でも下落し、一時は130.415円まで下げた。終盤の取引では0.60%安の130.795円。
円もドルと並び安全通貨とされるが、アナリストは31日に日本の年度末を控え、資金の流れが増加していると指摘。日本企業はバランスシート強化に向けに外債を売却している可能性が高いとの見方を示している。
ステート・ストリート東京支店長のバート・ワカバヤシ氏は「年度末を控え、日本への資金送還の流れが出ている」と指摘。「こうした動きは一過性のもので、その後は利回りをにらんだ取引という基本に戻る」との見方を示した。
英ポンドは対ドルで0.4%上昇し、2カ月ぶり高値近辺にとどまった。イングランド銀行(英中央銀行)高官はこの日、世界的な銀行部門の混乱を受けて警戒を維持しているが、シリコンバレー銀行やクレディ・スイスの問題に起因するストレスは英国では見られないと述べた。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが0.81%高の2万7362ドル。前日は3%下落していた。
ドル/円 NY終値 130.86/130.89
始値 130.94
高値 131.20
安値 130.42
ユーロ/ドル NY終値 1.0843/1.0845
始値 1.0822
高値 1.0848
安値 1.0817
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