- 2023/04/11 掲載
米国株式市場=まちまち、週内のインフレ指標や銀行決算待ち
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場はまちまち。7日に発表された米雇用統計の内容を消化し、週内に発表されるインフレ指標や銀行の四半期決算発表に備える動きとなった。
大型株が売られてナスダック総合が小幅安となった一方、ダウ工業株30種は工業株への買いを受けてプラス圏で引けた。S&P総合500種はわずかに上昇して取引を終えた。
景気に敏感な輸送株、半導体、小型株、工業株が相場全体をアウトパフォームした。
CFRAリサーチのサム・ストーバル最高投資ストラテジストは「投資家は依然として米連邦準備理事会(FRB)が5月に25ベーシスポイント(bp)の利上げを行うとみており、そうなれば景気後退の可能性が高まる可能性がある。(今週の)消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)発表を控え、投資家の警戒感が高まっている」と述べた。
業種別ではS&P500の主要11部門のうち工業など6部門がプラス圏で終了。一方、通信サービスや公益事業などは下落した。
米労働省が7日発表した3月の雇用統計では、非農業部門雇用者数の堅調な伸びと賃金上昇の小幅な鈍化が示された。FRBの制約的な政策が景気抑制効果を生みつつあることを示唆する一方、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25bpの追加利上げが行われる可能性を高める内容となった。
CMEのフェドウォッチによると、金融市場は5月の25bp利上げ確率を72%織り込んでいる。
市場参加者はインフレ動向の手掛かりを得るため、今週発表される3月のCPIとPPIを注視する。
シティグループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴの第1・四半期決算発表も週内に控える。3月の米地銀2行の経営破綻を受け、セクター全体の健全性を見極めようと注目が集まる。
この日はシェール大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズが5.8%上昇。エクソン・モービルが買収に向け同社と予備的協議を行っていると伝わった。
金融サービスのチャールズ・シュワブも4.8%上昇。顧客資金の大量流入により1週間でコア純資産が165億ドル増加したと発表した。
半導体のマイクロン・テクノロジーとウエスタンデジタルはそれぞれ8%高と8.2%高。韓国のサムスン電子が7日、半導体の生産を縮小する方針を示したことを受けた。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.63対1の比率で上回った。ナスダックでは1.39対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は90億9000万株。直近20営業日の平均は122億8000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 33586.52 +101.23 +0.30 33425.25 33590.24 33343.43
前営業日終値 33485.29
ナスダック総合 12084.36 -3.60 -0.03 11975.14 12084.95 11924.20
前営業日終値 12087.96
S&P総合500種 4109.11 +4.09 +0.10 4085.20 4109.50 4072.55
前営業日終値 4105.02
ダウ輸送株20種 14197.66 +231.34 +1.66
ダウ公共株15種 970.03 -0.76 -0.08
フィラデルフィア半導体 3126.97 +55.21 +1.80
VIX指数 18.97 +0.57 +3.10
S&P一般消費財 1134.39 +4.80 +0.43
S&P素材 503.98 +2.47 +0.49
S&P工業 835.19 +7.43 +0.90
S&P主要消費財 787.34 -0.11 -0.01
S&P金融 533.25 +1.44 +0.27
S&P不動産 234.10 +1.13 +0.48
S&Pエネルギー 658.37 +4.23 +0.65
S&Pヘルスケア 1556.75 -0.58 -0.04
S&P通信サービス 194.65 -1.35 -0.69
S&P情報技術 2604.91 -3.84 -0.15
S&P公益事業 354.01 -0.71 -0.20
NYSE出来高 8.60億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27920 + 250 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 27865 + 195 大阪比
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