- 2023/04/11 掲載
午後3時のドルは小幅安133円前半、利益確定売りや戻り売り優勢
仲値にかけては国内輸入企業のドル買いが入った一方で、「133円台は絶好の売り場」(国内証券)とみられ、国内輸出企業や短期筋による売りに押されじりじりと軟化。ドルは133円前半まで下落した。その後買い戻される場面もあったものの、ユーロ高・ドル安の流れが強まったことをきっかけに、対円でも再び売り圧力が強まった。
前日の海外市場では、ドルは一時133.87円付近と約1カ月半ぶりの水準まで上昇。植田和男日銀総裁の就任会見がややハト派的な内容と受け止められたことや米金利の上昇を背景にドル買い/円売りが進行した。
ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト、上野剛志氏は、植田総裁の就任会見について「所信聴取時と比べると緩和継続に前向きな姿勢が強まった」と指摘。足元のイールドカーブの歪みが修正されていることもあり、「副作用の是正を急ぐという感じではない。状況を見定めるとみられ、緩和修正のタイミングは予想よりも遅くなるという印象」との見方を示した。
しかし、市場関係者は日銀が緩和修正をしないと考えているわけではない。あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は、「日銀による政策修正への思惑は継続しているとみられ、引き続き円高への警戒感が強い」と指摘する。
通貨オプション市場では、ドル/円のリスクリバーサル(RR)25%デルタのミドルレートはマイナス1.630と、マイナス幅は前日から小幅な縮小にとどまっている。
ニッセイ基礎研究所の上野氏も、日銀はタイミングを見計らって副作用の少ない形で実質的な緩和に動くとみる。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の修正や撤廃はサプライズ的に行われる可能性が高く、市場の政策修正観測は沈静化しないと指摘する。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 133.24/26 1.0892/96 145.15/19
午前9時現在 133.46/48 1.0867/71 145.05/09
NY午後5時 133.60/63 1.0859/63 145.09/13
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