- 2023/04/12 掲載
植田日銀、政策変更なら市場に影響=円高リスクも―IMF報告書
【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は11日に発表した金融安定報告書で、日銀が植田和男新総裁の下で大規模な金融緩和政策の修正に踏み切れば、「国際金融市場に影響を与える可能性がある」と指摘した。日本国債の利回りが上昇すると大量の資金が日本に流れ込み、円高が進行するリスクもあるとの見方を示した。
インフレ抑制に向けて欧米の中央銀行が利上げを進める中、新体制が発足した日銀は10年間続いた異次元の金融緩和からの「出口戦略」が課題となる。IMFは、日本国債の利回りを低く抑え込む緩和策「長短金利操作」に本格的な変更が行われた場合の影響を分析した。
報告書は、国債の利回りが上昇すると日本の投資家のレパトリエーション(資金の本国還流)や外国人投資家による「日本買い」が進み、「円高圧力がかかる」と予想。米欧やオーストラリアの各市場で「国債利回りに大きな影響を及ぼす」ほか、一部の新興国市場が「重大な資本流出に直面する」と警鐘を鳴らした。
IMFはその上で、日銀がマイナス金利解除を混乱なく実行していくために、長短金利操作に微修正を重ねることで徐々に政策転換を図る手法を支持しつつ、日銀に対して「金融政策を調整する際は、市場の変動を避けるために明確なコミュニケーションが重要だ」と注文を付けた。
【時事通信社】
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