- 2023/04/26 掲載
超長期中心に円債投資でも残高減、外債はヘッジ・オープンとも減少=23年度・かんぽ運用計画
26日に開催した資産運用方針説明会で、野村裕之運用企画部長が明らかにした。
このうち円金利資産について、野村氏は「(保有債券の)償還は昨年度よりも少ない1兆5000億円程度になる」とし、投資額が償還分を下回るため残高は減少する見込みだが、超長期国債を中心に買い入れを行う方針だと話した。
購入ペースについては「毎月いくらと機械的に積むことはしない。昨年度の金利上昇時に計画を前倒しして買った分、今年度は水準を見ながら買う余裕がある。メリハリをつけて、30年金利が1.6%に近付く場面で積極的に購入を進めたい」と説明。足元の30年金利は1.31%。
日銀の金融政策については、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策の修正か撤廃が年内にあると予想、「早ければ6月の可能性も排除しないが、恐らく秋頃」としている。そのタイミングで国内金利の上昇を見込むが、生保などの投資家需要の大きさを背景に金利上昇の幅が限定されたり滞空時間が短い可能性があり、「大きくゆっくり買える状況はあまりないのではないか」との見方を示す。
一方、外債については、為替ヘッジ付き・オープンともに残高の減少を見込む。
このうち、円金利資産の代替と位置付けるヘッジ外債については、ヘッジコストの高止まりが見込まれる中で前年度に続き国債の売却を行うが、同コストをカバーできる米国などの社債への入れ替えも実施する。オープン外債については、償還が多いため残高が減少する見込み。
またリスク性資産の株式については、国内株・外国株ともに「慎重なリスクテイク」を基本姿勢として残高は横ばいになる見通し。オルタナティブ資産は、前年度に引き続いて残高を増やす。
かんぽ生命の一般勘定の総資産残高は、昨年9月末時点で64兆7466億円。うち外貨建て資産は5兆3399億円(8.2%)。
2023年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。
日本国債10年物利回り 0.20―0.65%(年度末0.60%)
米国債10年物利回り 2.80―3.80%(同3.20%)
日経平均株価 2万4000―3万1000円(同3万円)
NYダウ 2万8000─3万5000ドル(同3万4000ドル)
ドル/円 118―138円 (同125円)
ユーロ/円 125―155円 (同140円)
(植竹知子 編集:田中志保、青山敦子)
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