- 2023/05/12 掲載
日経平均は続伸、約1年半ぶり高水準 好決算銘柄に買い
日経平均は約72円高でスタート。その後も上げ幅を拡大し、年初来高値を更新した。決算を受けた個別銘柄の売買が活発で、特に、指数寄与度の大きい東京エレクトロンが堅調で指数をけん引した。海外勢の日本株買いも続き、大引けにかけては日中高値を更新。日経平均は、一時前日比約299円高の2万9426円06銭まで上昇した。
野村証券の小高貴久シニア・ストラテジストは「総じて堅調、強いと言っていい。足元の米国の景気減速懸念などよりは、インバウンド(訪日客)の回復などで、新年度の日本景気が強そうだということを見据えた動きになってきている」との見方を示した。一方、PER(株価収益率)などのバリュエーション(投資尺度)自体はだいぶ上がってきているので「短期的な業績などを目当てに買っている投資家にとっては上値は追いにくい環境」(小高氏)と指摘した。
市場では「日本企業の株式市場に対する態度がかなり変わってきた。これまでため込んできたキャッシュを活用する動きが非常に顕在化するような動きになってきている」(国内証券のストラテジスト)との声が聞かれた。
前日に決算を発表した東京エレクトロンは3.2%高と堅調。神戸製鋼所は11.9%高で、一時約5年ぶりの高値水準となった。一方、ソフトバンクグループは3.6%安で、指数の重しとなった。シャープも8.6%安と軟調。午後に決算を発表したNTTは午前に年初来高値を更新していたが、決算発表後は一転、マイナス圏に沈み、1.9%安で取引を終えた。
TOPIXは0.64%高の2096.39ポイントで、年初来高値を更新した。東証プライム市場指数は前営業日比0.64%高の1078.69ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は3兆9587億8500万円だった。東証33業種では、値上がりは水産・農林や精密機器、ゴム製品など20業種で、値下がりは石油・石炭製品やパルプ・紙、鉱業など13業種だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1031銘柄(56%)、値下がりは737銘柄(40%)、変わらずは66銘柄(3%)だった。
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