- 2023/05/18 掲載
米4月一戸建て住宅着工、1.6%増 3月分は下方修正
[ワシントン 17日 ロイター] - 米商務省が17日発表した4月の一戸建て住宅着工件数(季節調整済み)は前月比1.6%増の年率換算で84万6000戸となった。一方、3月の一戸建て住宅着工件数は当初発表の86万1000戸から83万3000戸に大幅に下方修正された。
住宅ローン金利が低下しているにもかかわらず、住宅市場低迷の最悪期を脱し切れていないことが示唆された。
一戸建ては住宅建設の大部分を占めている。
ネーションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンチッチ氏は「住宅市場の著しい回復には程遠い」と述べた。
4月の一戸建て住宅着工件数は西部で59.5%急増した一方、北東部で10.3%、中西部で20.5%。人口密度の高い南部で6.1%それぞれ減少した。
4月の一戸建て住宅着工件数の前年同月比は28.1%減だった。
一方、4月の一戸建ての建設許可件数は3.1%増の85万5000戸と昨年9月以来の高水準となった。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、米国で広く利用されている期間30年の住宅ローン固定金利が先週は6.35%と、昨年11月に付けた今回の上昇局面のピークとなった7.08%から低下している。ただ、信用状況の引き締まりによって建設業者の資金調達が難しくなる可能性がある。
5戸以上の集合住宅の着工件数は5.2%増の54万2000戸。引き続き賃貸住宅需要が下支えした。ただ、賃貸住宅の空室率が第1・四半期に2年ぶりの高水準に上昇したため、着工件数の伸びが制限される可能性がある。
一戸建てと集合住宅を合わせた全体の住宅着工件数は2.2%増の140万1000戸。ロイターがまとめた市場予想は140万戸だった。
5戸以上の集合住宅の建設許可件数は9.7%減の50万2000戸。全体では1.5%減の141万6000戸だった。
未着工の住宅は1.0%減の29万戸で、昨年6月以来の低水準。一戸建て住宅の受注残は4.5%増の13万9000戸、一戸建て住宅の完成件数は6.5%減の97万1000戸だった。
建設中の一戸建て住宅は1.4%減の69万8000戸。建設中の集合住宅は1.7%増の95万9000戸。
ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオン(バージニア州)のコーポレートエコノミスト、ロバート・フリック氏は「建設中の新規住宅の数値が弱く、中古住宅販売も極めて低水準であることから、現在の住宅市場の低迷は今年も続きそうだ」と述べた。
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