- 2023/05/18 掲載
NY外為市場=ドル7週ぶり高値、債務上限巡る楽観や底堅い指標で
ドル指数は一時103.12まで上昇し、3月下旬以来の高値となった。終盤は0.3%高の102.85。
ユーロ/ドルは一時1.0811ドルと6週間ぶりの安値。終盤は0.2%安の1.0838ドルだった。
マネックスUSAのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は「きょうはいくつかの要因がドルを押し上げている」と指摘。「債務上限を巡る協議の進展、予想より堅調な米経済指標、一部の連邦準備理事会(FRB)当局者からのタカ派的なコメントなどがドル高をもたらしている」と述べた。
バイデン米大統領は17日、連邦債務上限問題を巡り共和党と民主党のトップ議員との間で合意が成立すると確信しているとし、米国は債務不履行(デフォルト)に陥ることはないと述べた。一方、共和党のマッカーシー下院議長は同日、米債務上限引き上げに関する合意が21日までに「可能」と述べた。
コンベラのシニアマーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏は「債務上限に関する協議は、その行方がどうであれ、ドルを支援しているようだ」と言及。協議の行き詰まりが続けば安全資産としてのドル買いにつながる一方、協議が建設的であってもドル人気が再燃する可能性があるとした。
一方、米経済指標では一部で減速が見られるものの、全体的に良好で、金利が長期的に上昇するとの見方を裏付けている。
4月の一戸建て住宅着工件数(季節調整済み)は前月比1.6%増の年率換算で84万6000戸となった。一方、3月の一戸建て住宅着工件数は当初発表の86万1000戸から83万3000戸に大幅に下方修正された。
前日発表された4月の小売売上高(季節調整済み)は伸び率が予想を下回ったものの、基調的には引き続き堅調。4月の鉱工業生産指数は、製造業の生産指数の伸びが市場予想を上回った。
マニンボ氏は「最近の経済指標は米国の成長率が欧州よりも高いことを物語っている」と指摘。「さらに、米国ではインフレ率が高く、失業率が低いことから、米利下げの実現は早まるよりも遅くなる可能性が高い」とした。
ドル/円は0.9%高の137.59円。序盤には137.625円と2週間ぶりの高値を付けた。
金利先物市場では、6月にFRBが利下げを決定する確率はゼロ%となっている。1カ月前は約17%だった。
中国人民元は軟化し、5カ月ぶりに1ドル=7元を突破。地政学的な緊張や中国のパンデミック(世界的大流行)後の回復が失速する兆しの強まりを受けた。
ドルは対オフショア人民元で0.1%上昇し7.0077元となった。
ドル/円 NY午後4時 137.61/137.62
始値 136.99
高値 137.65
安値 136.89
ユーロ/ドル NY午後4時 1.0838/1.0842
始値 1.0828
高値 1.0849
安値 1.0811
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR