ＮＹ市場サマリー（17日）株急反発、ドル7週ぶり高値、利回り上昇

［１７日　ロイター］ - ＜為替＞　終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが７週間ぶりの高値を付けた。米債務上限問題を巡る楽観的な見方のほか、一連の底堅い経済指標を背景に利下げ期待が後退したことを受けた。

ドル指数は一時１０３．１２まで上昇し、３月下旬以来の高値となった。終盤は０．３％高の１０２．８５。

ユーロ／ドルは一時１．０８１１ドルと６週間ぶりの安値。終盤は０．２％安の１．０８３８ドルだった。

マネックスＵＳＡのＦＸトレーダー、ヘレン・ギブン氏は「きょうはいくつかの要因がドルを押し上げている」と指摘。「債務上限を巡る協議の進展、予想より堅調な米経済指標、一部の連邦準備理事会（ＦＲＢ）当局者からのタカ派的なコメントなどがドル高をもたらしている」と述べた。

バイデン米大統領は１７日、連邦債務上限問題を巡り共和党と民主党のトップ議員との間で合意が成立すると確信しているとし、米国は債務不履行（デフォルト）に陥ることはないと述べた。一方、共和党のマッカーシー下院議長は同日、米債務上限引き上げに関する合意が２１日までに「可能」と述べた。

＜債券＞　米金融・債券市場では、国債利回りが上昇した。米国の連邦債務上限引き上げに向けた協議を巡る慎重な楽観論や、長期金利上昇への期待感が強まったことが背景。

バイデン米大統領は主要７カ国（Ｇ７）首脳会議（広島サミット）に出発する前に、交渉担当者は１７日も会合を開くとし、移動中も緊密に連絡を取り合うと表明。２１日に記者会見を行うと述べた。

協議に進展が見られたことから、国債の利回りが上昇した。ただ投資家は、連邦政府は６月１日にも支払い不能になる可能性があり、合意形成までの時間が限られているとして、依然として神経質になっている。

Ｓ＆Ｐグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータによると、米１年物クレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）のスプレッドは１６０ベーシスポイント（ｂｐ）と小幅拡大した。１６日には１５５ｂｐまで縮小していた。

金融政策への期待がより反映されやすい短期債の利回りは、長期債の利回りよりも高い傾向にある。このところ発表された一連の比較的堅調な経済指標は、金利が長期間にわたって高水準で推移し、６月米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）での追加利上げもあり得るとの見方を後押ししている。

＜株式＞　米国株式市場は急反発して終了した。連邦債務上限を巡り合意が得られるとの楽観的な見方が出たほか、地方銀株が回復し銀行部門の問題が深刻化するとの懸念が緩和した。

バイデン米大統領はこの日、債務上限問題を巡り共和、民主両党の議会指導部の間で合意が成立すると確信していると述べ、米国が債務不履行（デフォルト）に陥ることはないとした。共和党のマッカーシー下院議長も、債務上限引き上げに関する合意は２１日までに可能と述べた。

地銀株はウエスタン・アライアンス・バンコープWAL.Nが上昇を主導。同行は前日、５月１２日までの３カ月間に預金残高が２０億ドル余り増加したと発表していた。

ＫＢＷ地銀株指数は７．２８％上昇と、２０２１年１月６日以来の大幅高を演じた。終値で今月１日以来の高値を付けた。Ｓ＆Ｐ銀行指数も４．４６％上昇し、昨年１１月１０日以来の大幅高となった。

チェリーレーン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は「債務上限に関する楽観的な見方が出ている」とし、「バイデン氏とマッカーシー氏が共に（合意が）近いと発言したことで、おそらく何らかの合意が得られるのだろう」と述べた。

＜金先物＞　ニューヨーク商品取引所（ＣＯＭＥＸ）の金塊先物相場は、対ユーロでのドル上昇を眺めて売りが優勢となり続落した。

米リッチモンド連邦準備銀行のバーキン総裁は１６日、米テレビのインタビューで、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の金融政策に関し、「一段の利上げが必要なら支持する」と明言した。米シカゴ連邦準備銀行のグールズビー総裁はインタビューで、インフレ低下のプロセスは引き続き進んでいるものの、物価上昇率の水準は「高過ぎる」と指摘し、労働市場も底堅いことから「利下げを議論するのは時期尚早」と強調した。米クリーブランド地区連邦準備銀行のメスター総裁も同日、ＦＲＢが政策金利を一定期間、安定させることができる段階にあるとは考えていないとの見解を表明した。ＦＲＢ高官らによる相次ぐタカ派的な発言を受け、ＦＲＢによる早期利上げ停止観測が後退。対ユーロでドルが上昇し、ドル建てで取引される商品の割高感が生じ、金は売られた。

＜米原油先物＞　ニューヨーク商業取引所（ＮＹＭＥＸ）の原油先物相場は、需要拡大への期待が高まったことを受けて反発した。

国際エネルギー機関（ＩＥＡ）が前日に公表した石油市場月報で、今年後半の需要量が供給量を日量２００万バレル上回るとの見通しを明らかにした。また、今年全体の世界の需要予想も日量２０万バレル上方修正しており、需要拡大期待から原油買いが優勢となった。

ドル／円　ＮＹ終値 137.67/137.70

始値 136.99

高値 137.71

安値 136.89

ユーロ／ドル　ＮＹ終値 1.0839/1.0842

始値 1.0828

高値 1.0849

安値 1.0811

米東部時間

３０年債（指標銘柄） 17時05分 95*27.00 3.8601%

前営業日終値 95*20.00 3.8730%

１０年債（指標銘柄） 17時05分 98*11.50 3.5716%

前営業日終値 98*17.50 3.5490%

５年債（指標銘柄） 17時05分 99*19.25 3.5882%

前営業日終値 99*28.75 3.5220%

２年債（指標銘柄） 17時05分 99*15.00 4.1603%

前営業日終値 99*20.13 4.0740%

終値 前日比 ％

ダウ工業株３０種 33420.77 +408.63 +1.24

前営業日終値 33012.14

ナスダック総合 12500.57 +157.51 +1.28

前営業日終値 12343.05

Ｓ＆Ｐ総合５００種 4158.77 +48.87 +1.19

前営業日終値 4109.90

ＣＯＭＥＸ金　6月限 1984.9 ‐8.1

前営業日終値 1993.0

ＣＯＭＥＸ銀　7月限 2389.7 +0.4

前営業日終値 2389.3

北海ブレント　7月限 76.96 +2.05

前営業日終値 74.91

米ＷＴＩ先物　6月限 72.83 +1.97

前営業日終値 70.86

ＣＲＢ商品指数 262.2848 +2.3910

前営業日終値 259.8938