- 2023/05/19 掲載
米地区連銀2総裁、利上げ停止に慎重 「インフレ抑制不十分」
両総裁のタカ派的な見解はFRB内で少数派とみられるが、6月13─14日に開く次回の連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて同様の見方が広がりつつある。
金利先物市場は18日現在、6月に3分の1の確率で利上げが行われると予想。1週間前は10分の1の確率とみられていた。
ジェファーソンFRB理事は18日の講演で、インフレ抑制に向けた進展が緩慢になっている可能性があるとしながらも、FRBがこれまでに実施した急速な利上げの完全な効果を評価するのは現時点では尚早との考えを示した。
パウエル議長も、遅れて表れる利上げ効果を当局者が評価する間、来月の利上げを見送る可能性を示唆し、その理由としてこうした見方に言及している。
パウエル氏は19日に講演を予定しており、今月上旬のFOMC以降に発表された強弱まちまちと言える経済指標を踏まえて最新の見解を示すとみられている。
ジェファーソン理事は6月のFOMCで金利据え置きと追加利上げのどちらを支持するか明らかにしなかった。ただ、金融政策の効果が出るには時間がかかるということは歴史で示されているとし、需要に対する金融政策の効果が十分に得られるには1年という期間は十分ではないと指摘した。こうした発言からは、利上げを一時停止しても構わないと考えている可能性がうかがわれる。
一方、ローガン総裁は、今後数週間に発表されるデータで6月は利上げ見送りが適切であることが示される可能性もあるとしながら、「現時点ではまだそこには達していない」と述べた。
また、インフレ率は昨年のピークから鈍化し、経済全体の不均衡も以前より改善しているとしつつ、インフレに関して「まだ必要な進展を遂げていない」との見方を示した。
ブラード総裁は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、インフレ抑制に向けた進展は遅いと指摘し、「インフレが実際に抑えられるよう、幾分か金利を引き上げるという保険をかけておくことが正当化される可能性がある」と語った。
両総裁は6月のFOMCについて「オープンマインド」を保つとも述べた。
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