- 2023/05/31 掲載
賃上げで分厚い中間層=日韓の民間外交強化―十倉経団連会長
経団連の十倉雅和会長は、31日に2期目に入るのを前に報道各社のインタビューに応じた。最大の課題として「分厚い中間層の形成が急務だ」と強調。国民間の格差拡大を防ぐため「構造的な賃上げを実現したい」と述べた。関係改善の動きが進む韓国との間で「日本・韓国経済委員会」を新設し、民間外交にも力を入れる姿勢を示した。
十倉氏は、2023年春闘の大手企業の賃上げ率が3.91%と30年ぶりの高水準に達したことを「及第点だ」と評価した。一方で、日本の現状を「デフレからの脱却と安定成長が達成できるか否かの正念場だ」と指摘。岸田政権が看板政策の新しい資本主義で掲げる「分厚い中間層」の形成を、構造的な賃上げを通じて目指す姿勢を示した。
また、ロシアのウクライナ侵攻により世界の分断傾向が強まる中、「自由で開かれた国際経済秩序の再構築へ主導権を取るべきだ」と主張。米欧のほか、「隣国である中国や韓国との交流も進める」と述べた。
韓国との間では「日本・韓国経済委員会を立ち上げる」と表明。先に発足させた未来パートナーシップ基金と連携し、国際課題の解決に共同で取り組む。中国には秋以降の訪問を検討していることも明らかにした。
【時事通信社】 〔写真説明〕報道各社のインタビューに応じる経団連の十倉雅和会長=24日、東京都千代田区 〔写真説明〕報道各社のインタビューに応じる経団連の十倉雅和会長=24日、東京都千代田区
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