- 2023/05/31 掲載
株価急伸のエヌビディア、業績受けた予想上方修正でPERは低下
エヌビディアは30日に3%高の401.11ドルで引けた。過去3日で31%以上の上げとなり、一時時価総額が1兆ドルを突破した。
エヌビディアのPERは約45倍。リフィニティブのデータによると、強気の売上高見通しを公表する1週間ほど前の5月18日には62倍だった。
予想PERの低下は同社に対するウォール街の業績予想が株価よりも速く引き上げられたためだ。
第2・四半期の1株利益(EPS)に対するアナリストのコンセンサス予想は2.05ドルに上昇。アナリストは平均で目標を95%引き上げ、通年のEPS予想は71%増の7.75ドルとなっている。
エヌビディアは24日、アナリスト予想を50%以上も上回る売上高予想を示し、ジェンセン・フアン最高経営責任者(CEO)は需要急増に対応するために供給を大幅に増やしていると述べた。
リフィニティブのデータによると、アナリストによる目標株価の中央値は先月末の300ドルから450ドルに引き上げられた。
バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は、「現在の強さが新たな軌道を示すものかどうかを見極めている」と指摘。先週の発表前の高バリュエーションは、予想が低すぎたということだとし、「それが再び起こるかどうか」が注目だと述べた。
ハーグリーブス・ランズダウンのマネー&マーケット責任者、スザンナ・ストリーター氏は、サプライチェーンの圧力などの問題に注意する必要があり、これらが価格のボラティリティーをもたらす可能性があるとの見方を示した。「エヌビディアはAIの最前線にあり、成長の変化が短期間で終わるとは考えにくいが、この規模の大規模成長には課題ももたらされる」と述べた。
エヌビディアの時価総額は約9910億ドルで、PERが38倍のアドバンスト・マイクロ・デバイセズなどの競合企業よりも高い評価を受けている。
S&P500種採用企業のなかでも上昇率では最大で年初来で175%程度上昇、次に上昇率の高いメタ・プラットフォームズの約119%、S&P500種指数の10%程度を上回っている。
ロイターの分析によると、AIはここ数週間、四半期決算を発表する企業の主要テーマとなっており、S&P500種企業が開催した投資家向け電話会見で約900回言及された。エヌビディアの電話会見でAIは86回言及され、アルファベットの52回、マイクロソフトの35回を上回っている。
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