- 2023/06/07 掲載
米VC大手セコイアが会社3分割、欧米・中国・インド東南アジアに
マネジングパートーナーのロエロフ・ボサ氏、中国責任者ニール・シェン氏、インド東南アジア責任者シャイレンドラ・シン氏の連名による声明には、来年3月31日までに分割を実施すると記されている。
欧米事業の運営企業の名前はセコイア・キャピタルのまま。中国事業の中国語表記は従来と同じだが英文表記はホンシャンに、インド東南アジア事業はピークXVパートナーズという社名に変更される。
VC業界は経済情勢の悪化や地政学的緊張の高まりで資金調達と投資の環境がともに厳しさを増し、リターンが目減りしている。
セコイアは「分散化された国際的な投資ビジネスの運営はより複雑化し、集権的なバックオフィス機能を利用するのは、メリットよりも足かせとなる面が大きくなってきた」と会社分割の理由を説明した。
特に中国に関しては、米国が安全保障上の懸念に基づく輸出規制などを打ち出し、両国のあつれきが高まっているため、欧米投資家が様子見を続けている面もある。
専門家の1人は「この分割を通じてセコイアの各地域の会社が独自の立場でより柔軟に投資機会を追い求められるようになり、地政学的な状況変化や現地の法令順守についてもより適切な対応が可能で、各社にまたがるポートフォリオ上の矛盾解決にもつながる」と指摘した。
起業家兼投資銀行家のシェン氏が立ち上げた中国事業はこれまでハイテクからヘルスケアまでさまざまなセクターの1200社超への投資を手がけ、昨年は約560億ドルの資産を運用するとともに、4本のファンドを通じて90億ドルを調達した。
主な出資先は短編動画投稿アプリ、TikTok(ティックトック)の親会社北京字節跳動科技(バイトダンス)や、電子商取引プラットフォームの?多多(ピンドゥオドゥオ)の持ち株会社PDDホールディングスなどがある。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR