- 2023/06/10 掲載
NY市場サマリー(9日)ドル高、株式小幅続伸 利回り上昇
<為替> ドルが上昇。5月米消費者物価指数(CPI)の発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、一時付けていた2週間ぶり安値から戻した。
13─14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げは見送られるとの見方が大勢。ただ、タカ派姿勢は維持し、インフレが高止まりするようであれば7月に利上げを実施する可能性を示唆する公算が大きいとみられている。
UBSのFXストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「米連邦準備理事会(FRB)は引き続き一段の行動が必要と考えており、政策緩和期待をけん制するだろう」と指摘。FRB当局者が金利・インフレ見通しを上方修正するとみられており、「そういった意味でFRBはタカ派姿勢を維持する」という考えを示した。
13日に発表される5月CPIは前年同月比4.1%、コアは5.3%それぞれ上昇すると予想されている。
終盤の取引で、ユーロ/ドルは0.3%安の1.0749ドル、ドル/円は0.34%高の139.40円。
主要通貨に対するドル指数は0.22%高の103.53。
来週はFOMCのほか、欧州中央銀行(ECB)理事会、日銀の金融政策決定会合が開かれる。ECBは0.25%ポイント利上げ、日銀は金利据え置きがそれぞれ予想されている。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米債利回りが上昇した。米連邦準備理事会(FRB)は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、積極利上げを一時停止するものの、高インフレに対する警戒感からタカ派姿勢を維持するとの見方が背景。
カナダの5月の雇用者数が予想外に減少したことを受け、米債利回りは一時的に低下した。今週はオーストラリアとカナダの中央銀行が予想外の利上げを行ったため、今回の雇用統計は米市場を動揺させた。
カナダ統計局が9日発表した5月の雇用者数は前月比1万7300人減り、9カ月ぶりに減った。ロイターがまとめた市場予想の2万3200人増に反して減少した。失業率は5.2%と前月より0.2%ポイント上昇し、9カ月ぶりに悪化した。
ナットウエスト(コネチカット州)のマクロストラテジスト、ブライアン・デインジャーフィールド氏は、6月FOMCで利上げを「スキップ」した場合、市場はFRBの表現がかなりタカ派になることを予想していると述べた。
金利期待に敏感な2年債利回りは8.5ベーシスポイント(bp)上昇し4.604%となった。指標である10年債利回りは3.1bp上昇し3.745%だった。
2・10年債の利回り格差はマイナス86.1bpと、反転が一層拡大した。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、来週FOMCで金利据え置きが決定される確率を70.9%と見積もっている。
30年債利回りは0.3bp上昇し3.886%となった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.166%、10年物が2.21%だった。
財務省短期証券は、1カ月物は9.2ベーシスポイント上昇し5.194%、3カ月物は1.4ベーシスポイント低下し5.251%。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 小幅続伸。電気自動車(EV)大手テスラが上昇し、相場を押し上げたものの、5月米消費者物価指数(CPI)の発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え警戒感が強く、S&P総合500種はこの日の高値から押し戻されて取引を終えた。
テスラは4.06%上昇し、2021年1月以来最長の連騰を記録した。自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が自社のEVでテスラの急速充電施設「スーパーチャージャー」のネットワークを利用することに合意したことが材料視された。
GMも1.06%上昇した。
S&Pは8日の取引で、昨年10月12日に付けた終値ベースでの安値から20%上昇。これは強気相場のシグナルと見なされる。
週足ではS&Pが0.38%高と、4週間連続で上昇し、22年7━8月以来最長となった。ナスダック総合は0.13%高で7週連続の上昇、ダウ工業株30種も0.33%高となった。
CMEグループのフェドウオッチによると、市場は13─14日のFOMCで米連邦準備理事会(FRB)の政策金利が現在の5─5.25%で据え置かれる確率を72%織り込んでいる。
また、7月の0.25%ポイント利上げの確率は50%となっている。
チェリー・レイン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は「相場全体のトーンは、FRBが利上げを一時停止するという見通しに基づいている」とし、FRBが利上げを見送れば「相場全体が上昇に転じ、これまでアウトパフォームしてきた大型ハイテク株に追いつく可能性がある」と述べた
アップル、半導体大手アドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)、エヌビディアはこの日、0.22─3.20%上昇した。
ディスカウント大手ターゲットは3.26%安。シティが投資判断を「ニュートラル」とし、売上高が今年さらに減少する可能性があるという見通しを示したことを嫌気した。
ソフトウエア会社アドビは3.41%高。ウェルズ・ファーゴは、アドビが生成人工知能(AI)から恩恵を受ける見通しとし、投資判断を「オーバーウェート」に引き上げた。
動画配信サービス大手ネットフリックスは2.6%高。パスワード共有への対応が奏功し、契約者数が急増したという調査報告が材料視された。
ニューヨーク証券取引所では値下り銘柄数が値上がり銘柄数を1.49対1の比率で上回った。ナスダックでも1.84対1で値下がり銘柄が多かった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 新規の手掛かり材料難の中を小反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.40ドル(0.07%)安の1オンス=1977.20ドル。週間では7. 60ドル(0.38%)上昇した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> エネルギー需要先行き懸念や対ユーロでのドル高に押され、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前日清算値(終値に相当)比1.12ドル(1.57%)安の1バレル=70.17ドルだった。8月物は1.11ドル安の70.33ドル。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 139.34/139.37
始値 139.51
高値 139.59
安値 139.04
ユーロ/ドル NY終値 1.0747/1.0751
始値 1.076
高値 1.0783
安値 1.0744
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*14.50 3.8831%
前営業日終値 95*14.50 3.8830%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*31.00 3.7433%
前営業日終値 97*06.50 3.7140%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*22.50 3.9146%
前営業日終値 98*30.75 3.8560%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*11.38 4.5956%
前営業日終値 99*15.88 4.5190%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33876.78 +43.17 +0.13
前営業日終値 33833.61
ナスダック総合 13259.14 +20.62 +0.16
前営業日終値 13238.52
S&P総合500種 4298.86 +4.93 +0.11
前営業日終値 4293.93
COMEX金 8月限 1977.2 ‐1.4
前営業日終値 1978.6
COMEX銀 7月限 2441.0 +6.2
前営業日終値 2434.8
北海ブレント 8月限 74.79 ‐1.17
前営業日終値 75.96
米WTI先物 7月限 70.17 ‐1.12
前営業日終値 71.29
CRB商品指数 260.5344 ‐1.7840
前営業日終値 262.3184
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