- 会員限定
- 2025/07/22 掲載
星野リゾート「宿泊予約サイトAgoda」に激怒、予約トラブル続出の“構造の欠陥”とは
1986年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。40年にわたり経営コンサルティングに従事。戦略系、デジタル・IT系、フィナンシャル・アドバイザリー系と複数の外資系コンサルティング会社にて数多くの案件を遂行。この20年はローランド・ベルガー、KPMG FASなどでパートナーを務め2019年独立。現在はDX、イノベーション創発などのテーマにおいて、約70名の独立コンサルタントとともにチームを組成して企業支援を行う。湯河原在住。週末は自宅でドックカフェを開く。愛犬飼育管理士、わな猟狩猟免状を保有。
Agodaへの業務改善命令
共同通信によると、観光庁がオンライン宿泊予約サイト「Agoda(アゴダ)」を運営する日本法人に対し、3月に業務改善を要請していたことが23日に判明した。「予約した部屋が確保されていない」「休館日なのに予約されていた」「予約したプラン、部屋、人数が違う」など旅行客とのトラブル頻発によるもので、Agodaは4月に観光庁に対策を示したものの、6月以降もトラブルは発生している。このまま抜本的な改善が見られなければ行政処分に発展する可能性もあるとのことだ。
星野リゾート代表のAgoda名指しのポスト
Agodaのトラブルは数年前からネットなどでは話題にもなっていたが、6月下旬に星野リゾート代表の星野佳路氏がAgoda経由の予約に対する注意喚起を日英2カ国語でXにポストしたことで、状況は広く知られるところとなった。ちなみに東横インや富士ドリームエアラインも自社サイトでAgoda経由での予約に注意喚起をしている。シンガポールに本社を置くAgodaは、旅館やホテルから部屋の在庫を仕入れてネットで販売するOTA(Online Travel Agency)に加えて、さまざまな業者(以下サードパーティー)が出品する(部屋の)在庫の売買の手数料を収入とするいわゆる、マーケットプレイスを運営している(ちなみに星野リゾートはAgodaとOTAの契約はしていない)。
サードパーティーは、さまざまなOTAで購入した在庫を、アゴダのマーケットプレイスに出品・販売しているわけだが、関係者の話によればこのマーケットプレイスにトラブルの原因があるようだ。
トラブルから推察すると、サードパーティーの中にはアゴダで売買が成立した後にはじめて、ホテル・旅館やOTAに予約を入れる業者(つまりアゴダに出品した時点では予約は成立していない)、「ありもしない架空の在庫を出品」している業者もいるのではないかと考えられる。 【次ページ】トラブルは「減らない」という残念な構造の正体とは
Web戦略・ECのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR