- 2023/07/19 掲載
NY市場サマリー(18日)ドル小幅高、利回り上昇 ダウ7日続伸
<為替> ドルが主要通貨バスケットに対し小幅高。一時15カ月ぶり安値に沈んでいたものの、米小売売上高統計が底堅い内容となったことで切り返した。
18日発表された6月の小売売上高は前月比0.2%増加。市場予想を下回ったものの、インフレ鈍化を背景に消費者の購買力は徐々に回復しているもよう。5月分は0.3%増から0.5%増に上方改定された。また、自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は0.6%増加した。
CIBCキャピタル・マーケッツの北米FX戦略責任者、ビパン・ライ氏は、小売売上高の前月比の伸びが予想を下回ったことは、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制で「進展している」兆候を示唆していると指摘。同時に、総合的には「FRBが7月終盤の会合で追加利上げを実施する必要があることを支える内容」という見方を示した。
金融市場ではフェデラル・ファンド(FF)金利が11月時点で5.40%を付け、ピークを迎えるという見方が織り込まれている。
また、この日発表された6月の鉱工業生産指数は、製造業の生産指数が前月から0.3%低下した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は横ばいだった。ただ、第2・四半期は自動車生産の急上昇を背景に回復した。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.04%高の99.924。一時、2022年4月以来の安値となる99.549を付ける場面もあった。
ドル/円は0.1%高の138.83円。一時、5月17日以来の安値となる137.245円を付けた。
ユーロ/ドルはほぼ変わらずの1.1229ドル。一時1.2760ドルと、22年2月以来の高値を更新した。
欧州中央銀行(ECB)は来週の理事会で0.25%ポイントの追加利上げを実施すると予想されている。
ECB理事会メンバーのクノット・オランダ中央銀行総裁は18日、利上げが行き過ぎないよう、今後数カ月かけインフレ減速の兆候を注視すると語った。
ポンド/ドルは0.22%安の1.3046ドル。
豪ドル/米ドルも0.07%安の0.6813米ドル。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が18日公表した今月の理事会の議事要旨からは、金利見通しを巡り目立ったサプライズは示されなかった。
<債券> 6月の米小売売上高を受け国債利回りは当初低下したものの、内容が消化されるに従い上昇した。
FRBは25─26日の会合で0.25%ポイントの利上げを決定するとの見方が大勢。FRB当局者はその後は年内に少なくともあと1回の利上げが決定される可能性を示唆しているが、20日に発表される週間新規失業保険申請件数を前に、市場の予想は揺れている。
RBCのスウェンセン氏は「労働市場が弱体化する明確な兆候が見られるまで、米経済はかなり底堅く推移する」との見方を示している。
指標10年債利回りは小売統計を受け、一時3.740%と、3週間ぶりの低水準を付けた。その後は3.799%と、小売統計発表前の3.759%近辺から上昇した。
2年債利回りも当初低下したものの、その後は4.768%に上昇した。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス96.9ベーシスポイント(bp)に拡大した。
<株式> 上昇して取引を終えた。堅調な銀行決算が追い風となり、ダウ工業株30種の続伸記録は2年超ぶりの長さとなった。
モルガン・スタンレーは6.45%上昇し、2020年11月9日以来の上昇率を記録した。第2・四半期決算は利益が市場予想を上回った。ウェルスマネジメント部門の好調が投資銀行とトレーディング部門の不振を相殺した。
バンク・オブ・アメリカも第2・四半期の利益が市場予想を上回ったことから4.42%高。顧客のローン支払いによる収入が増加したほか、投資銀行業務とトレーディング業務が予想より好調だった。
他の銀行株も買われ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンは4.11%、PNCファイナンシャルは2.51%、それぞれ上昇した。
S&P500銀行指数は1.90%高となり、3月8日以来の高値となった。KBW地域銀行指数も4.10%上昇し、3月21日以来の高値を記録した。
チャールズ・シュワブは12.57%上昇し、S&P500構成銘柄の中で上げが目立った。四半期利益が予想ほど落ち込まなかったことが支援材料となった。
テクノロジー株も1.26%高。マイクロソフトは3.98上昇し、過去最高値。同社は業務ソフト「オフィス」の新しい人工知能機能利用で課金額を引き上げると発表した。
バーンスタインの投資判断引き上げを受けて医療保険のユナイテッドヘルス・グループは3.29%高となった。
<金先物> 弱めの米経済指標の発表を受けて利上げ長期化に対する警戒感が和らぎ、反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比24.40ドル(1.25%)高の1オンス=1980.80ドル。
<米原油先物> 米国内の需給逼迫(ひっぱく)懸念を背景に買われ、3営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.60ドル(2.16%)高の1バレル=75.75ドル。9月物は1.58ドル高の75.66ドル。
低調な中国の経済指標発表に伴う需要減速懸念を受けた原油売りの流れは一巡。米石油協会(API)、米エネルギー情報局(EIA)がとりまとめたエネルギー在庫週報の公表を18日夕、19日午前に控え、需給引き締まり観測から買いが広がった。市場予想 (ロイター調査)では、14日までの1週間の原油在庫は前週比230万バレルの取り崩しとなったとみられている。相場は一時76ドル目前まで上昇した。
EIAが17日公表した石油掘削に関する報告も引き続き買い要因。EIAによると、米主要シェール層全体の8月の産油量は前月比日量1万8000バレル減の939万7000バレルとなる見込み。これは昨年12月以来の落ち込み。
ドル/円 NY終値 138.81/138.84
始値 138.26
高値 139.13
安値 137.71
ユーロ/ドル NY終値 1.1226/1.1228
始値 1.1256
高値 1.1270
安値 1.1210
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*06.00 3.8992%
前営業日終値 94*25.00 3.9230%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*20.00 3.7892%
前営業日終値 96*18.00 3.7970%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.25 4.0048%
前営業日終値 99*31.50 4.0030%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.75 4.7638%
前営業日終値 99*25.63 4.7320%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34951.93 +366.58 +1.06
前営業日終値 34585.35
ナスダック総合 14353.64 +108.69 +0.76
前営業日終値 14244.95
S&P総合500種 4554.98 +32.19 +0.71
前営業日終値 4522.79
COMEX金 8月限 1980.8 +24.4
前営業日終値 1956.4
COMEX銀 9月限 2525.6 +23.8
前営業日終値 2501.8
北海ブレント 9月限 79.63 +1.13
前営業日終値 78.50
米WTI先物 8月限 75.75 +1.60
前営業日終値 74.15
CRB商品指数 271.8570 +3.9553
前営業日終値 267.9017
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