- 2023/08/12 掲載
米インフレに緩和の兆し=利上げ、据え置き両にらみ―FRB
【ワシントン時事】10日発表された7月の米消費者物価指数(CPI)では前年同月比の上昇率が3.2%と、前月(3.0%)から13カ月ぶりに加速した。インフレは依然として根強いものの、緩和の兆しもうかがえる。成長を維持しつつ、物価安定も達成する経済の「ソフトランディング(軟着陸)」への期待が高まる中、連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ継続と金利据え置きの両にらみの構えだ。
7月のCPIでは、昨年インフレ率を約40年ぶりの高水準へ押し上げるのに一役買っていた中古車価格が前年同月比5.6%低下した。コロナ禍で混乱していたサプライチェーン(供給網)の正常化が進んでいることを印象付けた。
ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー高騰も一服。ガソリン価格は19.9%低下した。
ただ、エネルギー関連を除いたサービス価格は6.1%上昇と高水準にとどまる。賃金上昇を受けた人件費の値上がりや、家賃の高止まりが響いている。
最近の経済指標で、インフレ圧力に根強さと緩和の両方の兆候が見受けられる中、金融政策に関するFRB高官の見解も割れている。ボウマン理事は7日の講演で「追加利上げは必要な可能性がある」と明言。一方、別の高官は8日、「金利を維持する地点にいるかもしれない」と、利上げ「打ち止め」をにじませた。
7月の金融政策会合で、FRBは政策金利を年5.25~5.50%と、22年ぶりの高水準に引き上げた。利上げ局面は終盤に差し掛かっており、FRBは軟着陸実現に向け、「指標次第のアプローチ」(パウエル議長)を堅持するとみられる。
【時事通信社】
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