- 2023/08/17 掲載
NY市場サマリー(16日)株続落、円一段安1ドル146円台、利回り上昇
円は対ドルで一時146.26円と昨年11月以来の安値に下落。終盤は0.45%安の1ドル=146.22円となった。
鈴木俊一財務相は15日の閣議後会見で、為替介入に踏み切る水準に関し「絶対的な数字があってそれを防衛するためにやるということではなく、まさにボラティリティーの問題」との認識を示した。
アンバーウェーブ・パートナーズの共同創設者、スティーブン・ミラン氏は「介入時期や水準について正確には分からないが、インフレを巡る状況がまだかなり悪いため、比較的近いうちに介入することになる」と指摘。「世界の他の国々の金利がはるかに高い中で円安を放置することはインフレの一段の悪化を招く可能性がある」と述べた。
中国では景気減速に対する懸念が高まり、人民元はオンショア、オフショア市場ともに昨年11月以来の安値を付けた。オフショア人民元は一時7.3397元まで下落した。
<債券> 米金融・債券市場では、米連邦準備理事会(FRB)が公表した7月会合の議事要旨を受け国債利回りが上昇し、10年債利回りは10カ月ぶりの高水準を付けた。
FRBは7月25─26日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利上げを決定。決定は全会一致だったが、議事要旨で、追加利上げの必要性を巡り当局者の意見が分かれていたことが判明。「大半の」政策当局者はインフレとの戦いを引き続き優先するとした一方、「一部の」当局者は過度な利上げによる経済へのリスクを指摘したという。
DRWトレーディング(シカゴ)のマーケット・ストラテジスト、ルー・ブライエン氏は「これまでの政策が経済にどの程度の影響を及ぼしたのか、FRB当局者はなお把握できていないもようだ」とし、利上げを一時停止した際、それまでの利上げの累積的な効果を見極めるためと説明していたが、まだ答えは得られていないようだと述べた。
10年債利回りは4.280%と、昨年10月24日以来の水準に上昇。昨年10月に付けた4.338%を超えれば、2007年以来の高水準を更新することになる。
2年債利回りは4.984%。7月6日に07年6月以来の高水準となる5.120%を付けたが、その後はこの水準を超えていない。
<株式> 米国株式市場は続落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)が16日公表した7月25─26日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、利上げの必要性を巡り当局者の意見が分かれたことが明らかになった。
議事要旨によると、「大部分の」政策当局者はインフレとの戦いを引き続き優先するとした一方、「一部の」当局者は過度な利上げによる経済へのリスクを指摘したという。
チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は「インフレの問題が完全に過ぎ去ったと確信していない点で同意する」と述べ、9月から10月にかけてのFRBの対応に関して市場は神経質になるだろうと指摘した。
S&P総合500種は過去2日間で1.9%安と2営業日の下落率として4月以来の大きさを記録した。
前日に続きこの日も銀行株が売られ、S&P銀行株指数は1%下落。 バンク・オブ・アメリカ(BofA)が2.2%安と主要行の下げを主導した。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、8営業日続落した。
根強いインフレを背景に利上げ局面が長期化するとの思惑から、外国為替市場では主要通貨に対してドルが強含みに推移。ドル建てで取引される金の割高感につながった。また、 午後に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月25─26日開催分) から連邦準備理事会(FRB)の今後の金融政策の行方を見極めようと、ポジション調整の動きもみられた。
清算値算出後に公表されたFOMC議事要旨では、大半の参加者が一段の金融引き締めが必要となる可能性があるとして、0.25%の利上げを支持。ややタカ派的な内容と受け止められ、発表直後の時間外取引では金相場が一段安となった。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、エネルギー需要の先行きをめぐる不透明感が嫌気され、3日続落した。
米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週報によると、11日までの1週間の米原油生産量は新型コロナウイルス危機が拡大する2020年3月以来の水準を回復したものの、在庫は前週比600万バレル減と、市場予想に比べて大幅なマイナスを記録。一方、ガソリン在庫の取り崩しは予想より小幅にとどまったため、昼ごろまでは売り買いが交錯し、方向感に乏しい商いが続いた。
午後に入ると、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月25─26日開催分)の公表を前に、相場はじりじりと下落。同議事要旨で、会合参加者らが引き続きインフレに「大幅な上振れリスク」があり、一段の利上げが必要になる可能性があるとみていることが明らかになると、利上げ長期化に伴う景気やエネルギー商品需要の冷え込みを懸念した売りが膨らみ、一段安となった。
ドル/円 NY終値 146.35/146.36
始値 145.60
高値 146.40
安値 145.62
ユーロ/ドル NY終値 1.0874/1.0878
始値 1.0916
高値 1.0923
安値 1.0872
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*05.00 4.3558%
前営業日終値 96*24.00 4.3190%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*29.00 4.2583%
前営業日終値 97*06.50 4.2210%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*24.25 4.4064%
前営業日終値 98*28.25 4.3780%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.13 4.9673%
前営業日終値 99*19.88 4.9540%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34765.74 -180.65 -0.52
前営業日終値 34946.39
ナスダック総合 13474.63 -156.42 -1.15
前営業日終値 13631.05
S&P総合500種 4404.33 -33.53 -0.76
前営業日終値 4437.86
COMEX金 12月限 1928.3 ‐6.9
前営業日終値 1935.2
COMEX銀 9月限 2253.5 ‐12.1
前営業日終値 2265.6
北海ブレント 10月限 83.45 ‐1.44
前営業日終値 84.89
米WTI先物 9月限 79.38 ‐1.61
前営業日終値 80.99
CRB商品指数 273.4599 ‐0.8441
前営業日終値 274.3040
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