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  • アングル:ジャクソンホール後の為替、円高も警戒 介入は動きで判断

  • 2023/08/23 掲載

アングル:ジャクソンホール後の為替、円高も警戒 介入は動きで判断

ロイター

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[東京 23日 ロイター] - 24日から米ワイオミング州で開かれるカンザスシティ連銀主催のシンポジウム、ジャクソンホール会議を控え、政府は急激な為替変動に警戒を強めている。円安だけでなく円高方向にも振れる可能性があるとみているからだ。ただ、どちらの動きにしろ、介入については、為替市場の動きが急激で投機的なものかが判断材料となりそうだ。

<FRB議長発言を懸念>

一部の政府関係者は、ジャクソンホール会議は円安だけでなく、円高を招く可能性もあるとみている。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、中国不動産市況懸念などを踏まえてハト派的な発言をする可能性があり、「為替がどっちの方向に行くからわからないのが懸念材料」(政府高官)という。

もちろん、円安も懸念材料だ。 岸田文雄内閣の支持率は5月の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)以後下落を続けているが、与党関係者はこの要因について、マイナンバーカードをめぐるトラブルに加え、物価高もあるとみる。実質賃金が6月まで15カ月連続のマイナスとなるなど、賃上げが物価上昇に追いつかない状態が続いており、円安が助長する物価高は政権運営にとって無視できない問題だ。米国の堅調な経済指標を踏まえ、パウエル議長が市場の想定以上にタカ派的な発言をする可能性もある。

<ボラティリティ重視、日銀修正には慎重な声も>

ただ、足元で政府は、昨年円買い介入を行った水準を超えて円安が進んでも介入に踏み切っていない。

その理由について、ある政府高官は「昨年ほど急激に円安は進行しておらず、介入は水準でなくボラティリティの大きさで判断する」と説明すしている。鈴木俊一財務相も今月、「絶対的な数字を防衛するためではなく、ボラティリティの問題」との認識を示している。昨年2度にわたって実施した為替介入の記憶も新しく、投機筋の仕掛け的な動きに一定の歯止めになってもいる。

日銀は7月末の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)政策を修正し、長期金利の上限を事実上1.0%に引き上げた。日米の金利差拡大による円安と物価高を懸念し、日銀の政策柔軟化に期待してきた政府側からは、その決定を評価する声が上がっていた。

しかし、ドル/円はYCCの修正を決めた7月28日終値の141円前半から現在は145円台まで円安がじわりと進んでいる。

日銀のさらなる政策修正には政府・与党の一部から警戒の声も上がる。「1.0%以上への長期金利引き上げは望ましくない」(経済官庁幹部)との声が多く、自民党の世耕弘成参院幹事長は、7月の政策修正後「緩和姿勢を改めることになったら、日本経済を一気に冷やしてしまう。極めて要注意なところだ」とけん制している。日本経済は新型コロナウイルス禍からの回復途上にあるが、海外に比べて成長力は弱い。

物価高対策として岸田文雄首相は22日夕、ガソリンなどの燃料油対策の第一弾を月内にもまとめ、来月はさらなる経済対策を検討する考えを示した。

これより前、首相は植田和男日銀総裁と会談した。為替変動についてのやりとりは「特になかった」(植田総裁)という。

(竹本能文、杉山健太郎 編集:石田仁志)

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