- 2023/10/26 掲載
中国1兆元国債発行で金融緩和観測、準備率引き下げで流動性補充
[上海/シンガポール 26日 ロイター] - 中国政府が景気テコ入れに向け1兆元(1366億9000万ドル)の新規国債発行計画を打ち出したことを受け、エコノミストの間で中国人民銀行(中央銀行)の追加緩和観測が高まっている。大量の国債発行に伴う資金吸収の影響を相殺する役割を人民銀が担うとみられている。
UBSの中国チーフエコノミスト、汪涛氏は「一段の政策支援を引き続き予想する」と述べ、銀行預金準備率(RRR)や政策金利の引き下げを予想する。
JPモルガンやゴールドマン・サックスなどの国際的金融大手も第4・四半期にRRRの0.25%引き下げを見込む。
ゴールドマンのアナリストは、国債発行の承認は「第4・四半期のRRRの0.25%引き下げ、政策金利0.1%引き下げという当社予想」を裏付けると述べた。
外資系銀行のトレーダーは「ここしばらく流動性が比較的引き締まっている。銀行勢は新発国債に投資するだろう。RRRを引き下げれば、国債発行に伴い低下した流動性の回復につながる」と述べた。
11月と12月は中期貸出制度(MLF)の期日到来に伴う大規模な資金吸収が予定されているが、人民銀は到来分を供給すると予想されている。
実際、人民銀は過去7営業日で2兆6170億元(3576億ドル)もの短期流動性を供給している。
MLF残高は5兆6750億元で過去2年余りで最も多い。今年はこのうちの1兆5000億元の期日が到来する。これほどの額を更新するよりはRRRの引き下げを通じた流動性供給の方が簡単という思惑もRRR引き下げ観測を後押ししている。
上海安芳私募基金管理有限公司の投資ディレクター、Zou Wang氏も国債発行に関連した流動性対策としてRRR引き下げを含む緩和策を予想している。
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