- 2023/11/07 掲載
西田公明党税調会長、所得減税の延長判断に含み
[東京 7日 ロイター] - 公明党の西田実仁税制調査会長は7日、政府が経済対策に盛り込んだ所得税と住民税の減税期間を巡り、「1年限りというのをあらかじめ決め打ちするより、含みが必要」と述べ、経済情勢などに応じて弾力的に対応すべきとの考えを示した。来月中旬と想定する2024年度税制改正大綱の取りまとめに先立ち、ロイターなどの取材に応じた。
納税額にかかわらず一定額を差し引く定額減税では、所得税3万円、住民税1万円の計4万円を還元する。納税者本人に加えて扶養親族も含める方向で、平均世帯人数2.2人で換算すると1世帯では約9万円の減税となる。
実施時期については24年6月を想定しているが、西田会長は「法律上は1年になるだろうが必ずしも1年と決め打ちする必要はない」と言及。物価高を上回る所得増を実現できる対策規模となったことを念頭に、「物価に対しても一定の力が働き、日銀が言う物価安定2%目標が達成される見込みが高まってくる。金融政策の正常化や中東情勢の変動要因も重なるため、弾力的な対応が必要」と述べた。
24年度税制改正では、防衛力強化に伴う財源確保に道筋を付けられるかも焦点となる。政府は、法人・所得・たばこ3税の増税で、防衛費をGDP(国内総生産)比2%に引き上げる27年度までに1兆円強の財源を確保するとしているが、実効性には不透明感が漂う。
防衛増税を巡り、西田会長は来年度の実施は念頭にないと断ったうえで「所得減税と矛盾させないため税目調整もあり得る」と表明した。
(山口貴也 編集:久保信博)
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