• 2023/11/07 掲載

紙コップリサイクル、根付くか=「廃棄物」から意識変革へ―製紙業界

時事通信社

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古紙回収では混ぜてはいけない「禁忌品」とされている紙コップのリサイクルが進み始めた。じかに口に触れるため良質の原紙が用いられているのだが、飲み残しや耐水加工による再生の難しさから焼却ゴミとして廃棄してきた製品。製紙会社は異業種と連携してリサイクルの取り組みを始めており、再生資源としての定着を図っている。

「牛乳パックと違い、リサイクルできることが知られていない」。日本製紙の長谷川真リサイクル推進室長は現状を嘆く。紙コップはファストフード店やカフェで身近な製品。古紙が混じらないバージンパルプといった高品質の原料が使われ、「使い捨てで処分するのは大変もったいない」(同氏)のだが、耐水性を高めるプラスチック加工などがネックとなり再生に不適とされてきた。

こうした中、同社は紙コップから紙繊維だけ取り出す技術を活用し、2021年に浜松市などで段ボール原紙へ再生する事業を開始。王子ホールディングス(HD)も今年、同様の技術を用いて自動販売機で出た使用済み紙コップの再利用を始めた。

10月15日に行われた東京レガシーハーフマラソンに飲料を提供した大塚製薬は、ランナーが飲んだ後の紙コップをトイレットペーパー原料として再生。日本航空は日本製紙と連携し、22年から一部国内線の機内で提供した紙コップを、段ボールなどに再生する取り組みを実施している。紙コップへの「水平リサイクル」に向けた試作品の開発も進めている。

コスト低減に重要な安定的な回収体制が整っていないなど、普及に向けた課題は多い。日本製紙連合会の加来正年会長(王子HD会長)は「消費者も含めてリサイクルのシステムを作っていかないといけない」と指摘。「脱プラスチック」の機運が高まる中、企業や消費者の行動変容を促せるかがカギとなる。

【時事通信社】 〔写真説明〕10月15日の東京レガシーハーフマラソンで、ランナーが飲み終えた紙コップを回収するスタッフら(東京マラソン財団提供) 〔写真説明〕日本航空客室乗務員による機内での使用済み紙コップ回収のイメージ(同社提供)

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