- 2023/11/09 掲載
ECBバランスシート、金融危機前水準まで縮小できず=専務理事
[フランクフルト 9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン専務理事は9日、ECBのバランスシートはもっと縮小する必要があるが、初期の水準まで縮小することはできないとの認識を示した。
総資産はピーク時からすでに約2兆ユーロ減少しているが、それでも7兆ユーロと、当初数年間の1兆─2兆ユーロを大きく上回っている。
「この新しい定常状態では、適切な中銀準備の水準は世界金融危機前の比較的低い水準に比べはるかに高くとどまり、より不安定になると見込まれる」と会議で述べた。
その上で「たとえ現在の水準よりはるかに低いとしても、『ニューノーマル』な定常状態における中銀準備の適切な水準は、過度に乏しい準備や過度に豊富な準備に伴うリスクを回避すべき」とも語った。
マクロ金融ショックをはるかに受けやすくなっている世界において、流動性の低い資産に伴うリスクにもかかわらず、商業銀行の信用拡大意欲を後押しするにはこのような「中間の道」が必要と指摘。これらの準備は、構造的な債券ポートフォリオと、標準的な短期リファイナンスオペに加えた構造的な長期リファイナンスオペの両方を通じて提供されるべきだとした。
また、ECBは金利が事実上の最低水準まで低下した場合に備え、バランスシートを持続的に拡大させる余地を残しておくべきだと主張した。
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