- 2023/11/10 掲載
銀行セクターはまだ危機脱せず、金利動向の予測が鍵=ムーディーズ
[ニューヨーク 9日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズのマネジングディレクター、アナ・アルソフ氏は9日、銀行セクターは依然として危機を脱しておらず、金利動向を十分に予測できなければ、インフレ再燃によるリスクがあるという見解を示した。「ロイターネクスト」会議で述べた。
今春に急速な金利上昇によりシリコンバレー銀行(SVB)が多額の含み損を抱えて突如破綻し、米銀行セクターは混乱に陥った。
ムーディーズは8月上旬、米中堅銀行10行を格下げし、大手行6行を格下げ方向で見直しの対象とした。
アルソフ氏は銀行セクターの見通しは依然としてネガティブだとし、特に銀行が金利の動きを正しく予測してポートフォリオを適切に調整しなければ、インフレ再燃がリスクになると指摘。
「状況を改善するために、資本に多少の打撃となっても実際に証券を売却したり、売却を計画したりする積極的な動きが一部の銀行で見られている」とする一方、「しかし、フォワードカーブが正しいことを信じて利下げを待っている銀行もある。希望は戦略ではない」と述べた。
SVBが破綻に至った一因には、金利上昇を見込んで資金調達コストを固定するために米国債を売却したことがある。
アルソフ氏は今年第4・四半期と来年第1・四半期の銀行の自己資本に注目しているという。
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