• 2025/05/16 掲載

アングル:日銀、26年4月以降の買入減額ペース模索 20日から市場参加者会合

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Takahiko Wada

[東京 16日 ロイター] - 日銀は20、21日に債券市場参加者会合を開き、2026年4月以降の国債買い入れのあり方などについて意見聴取する。国債買い入れを政策ツールではないと位置づける中で混乱を招かない減額ペースの模索には市場参加者の声が重要で、特に26年4月以降の減額ペースと超長期債の扱いについて考えを確認したい意向だ。4月以降、金利が急上昇した超長期債については、ヒアリング次第で今後のオペ手法などに影響する可能性もある。

<現行計画は維持が基本>

債券市場参加者会合は20日に銀行グループ、証券グループ、21日にバイサイドグループと3回に分けて行われる。金融機関からは運用の担当者、日銀からは金融市場局長など金融市場局の幹部が出席する。

日銀は市場に無用な混乱を起こすことなく、段階的に国債買い入れを減らして行く意向だ。イールドカーブ・コントロール(YCC)をやめ、国債買い入れがもはや政策ツールではない以上、買い入れ額に「政策的な意図」を持たせたくないとの認識で、会合での市場参加者からの意見がより重要になる。

会合に先立って日銀が参加金融機関に送付した質問票には、今回の中間評価に臨む日銀の基本姿勢が明記されている。関係者によれば、日銀は昨年7月に決めた26年3月までの買い入れ計画については「維持が基本」として、追加的に考慮すべき事項を質問。その一方で、26年4月以降の買い入れについては、買い入れ額やペース、対象期間を詳細に質問しており、債券市場参加者会合で聞きたいことの重心が26年4月以降の買い入れ計画にあることがうかがえる。

日銀内では、特に26年4月以降の減額ペースは市場参加者の意見を聞いてから考えたいとの声が出ている。また、4月入り後の超長期金利の急上昇を受け、超長期債の扱いについての意見にも注目が向かっている。

<オペ手法に変更あるか>

4月以降の超長期金利の上昇については、市場機能に及ぼす悪影響を懸念する声が日銀内でも出ている。

日銀はこれまで、年限ごとの国債発行額に対する買い入れ比率を見ながら、比率が高い残存10年以下の国債買い入れを優先して減額してきた。しかし、買い入れ比率が接近してきたことを受け、4月には残存10―25年の買い入れを初めて減らした。

4月30、5月1日の金融政策決定会合では、国債買い入れ減額計画の中間評価に向け「年限別の需給動向や流動性、業態毎に異なる見方を丁寧に確認することが重要だ」との意見が出ており、市場の意見次第では、減額の重心を10年以下にするなどオペの手法を変更する可能性がある。

<市場、超長期債の需給に配慮求める声も>

野村証券の岩下真理・エグゼクティブ金利ストラテジストは、26年3月までの計画を維持し、計画期間を26年4月から1年延ばした上で引き続き四半期ごと4000億円ずつ減額していくことを基本線にした上で、日銀は今回の会合に臨むとみている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストも「日銀は市場に大きなショックを与えることなくQT(量的引き締め)を着実に進めようとしている」と指摘、26年4月以降もこれまでと同じペースの減額を維持するのではないかとみている。

超長期債について、野村証の岩下氏は「発行当局が発行年限を変えていくのが筋道的には優先順位が高い」と指摘する。一方で、複数の金融機関から、発行額に対する買い入れ比率に基づく機械的な減額ではなく、超長期債の需給に配慮して10年以下の減額を優先する手法への変更を求める声が出ている。

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