- 2025/05/20 掲載
ホンダ、EV普及遅れで関連投資7兆円に減額 HVは強化
Maki Shiraki
[東京 20日 ロイター] - ホンダは20日、想定より普及が遅れている電気自動車(EV)の戦略を修正すると発表した。2020年度━30年度までにEVを中心とする電動化とソフトウエア領域に10兆円を投じる計画だったが、EV関連投資を3兆円減らして7兆円へ見直した。主力市場の米国では、トランプ政権がEV購入促進策を取り止める方針を示しており、EV工場関連の投資をいったん見合わせる。
三部敏宏社長は同日の経営説明会で、30年時点の四輪世界販売に占めるEVの割合を従来の30%から20%程度に引き下げると明らかにした。当初は同年にEV販売200万台以上を目指していたが、「70万ー75万台くらいまで落ちる可能性がある」と述べた。同年にEVで営業利益率5%の目標も掲げていたが、実現は「非常に難しいが、できるだけ早い時期に達成したい」と語った。
足元で需要の高いハイブリッド車(HV)は、EV普及までの過渡期を担う商品群として品揃えを強化する。30年時点の四輪世界販売は今年度計画(362万台)と同規模の360万台以上、そのうちHVは現状の倍以上となる220万台をそれぞれ目指す。
HVは27年からの4年間で13モデルを世界に投入し、次世代の運転支援技術(ADAS)などを搭載する。北米では大型車の需要が底堅いことから大型車向けのHVシステムも開発し、20年代後半に投入する予定。
40年までに新車販売全てをEVと燃料電池車にするという目標は変更しない。
一方、三部社長は説明会後、記者団に対し、米国関税政策が長期化すれば米国販売車の現地生産を増やすという考えもあるが、日本車メーカーが日本から米国へ生産を移管すれば、国内産業の空洞化につながるとし、「そう簡単にはできない」との見解を示した。
ホンダは13日に、カナダで28年の稼働を予定していたEVや電池の工場計画を2年ほど遅らせることを公表済み。旭化成などと合弁で電池部材工場も立ち上げ、総投資額は150億カナダドル(約1兆5800億円、1加ドル=105.80円)を予定していたが、投資の再開時期は市場動向を見て判断する。
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