- 2025/07/10 掲載
国内企業物価指数6月は前年比+2.9%、伸び鈍化3カ月連続
Tetsushi Kajimoto
[東京 10日 ロイター] - 日銀が10日発表した6月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数は前年比2.9%上昇した。伸び率は3カ月連続で鈍化し、10カ月ぶりに3%台を割り込んだ。最も押し下げに寄与した品目は石油・石炭製品だった。
前月比では0.2%低下し、2カ月連続のマイナスになった。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比2.9%上昇、前月比0.2%低下だった。
燃料油価格定額引き下げ措置による補助金支給額が増加した影響から、ガソリン・軽油・ジェット燃料等各油種が前月比マイナスに寄与した。石油・石炭に次いで、電力・都市ガス・水道では、事業用電力が燃料費調整の影響で、都市ガスが原料費調整の影響で価格が下落した。
押し上げに寄与した品目では、非鉄金属はプラスチック被覆銅線や銅・貴金属展伸財が関税発動を前にした米国での駆け込み需要や中東における地政学リスクの高まりを受けた国際商品市況の上昇を受けて値上がりした。農林水産物では、コメ、豚肉、鶏肉が上昇した。
CGPIを構成する品目515品目のうち、上昇したのは376品目、下落は113品目となり、差し引き263品目となった。5月の244品目と比べると増加している。
日銀の担当者は、「地政学リスクを含めた、国際商品市況の動向、関税賦課等コスト変動分の反映を含めた企業の価格設定行動、世界的に景気減速懸念が強まる中での需要動向、政府による電気・ガス料金やガソリン・コメ価格等の負担軽減策の影響を注視していく」とした。
企業物価指数は、企業間の財・モノの価格動向を示す指標。企業向けサービス価格指数とともに、企業間で適切な人件費配分や価格転嫁ができているかのバロメーターとして、賃金・物価の好循環の実現を目指す日銀が注視する指数の一つ。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
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