- 2025/07/16 掲載
NY市場サマリー(15日)株まちまち ドル148円台後半 利回り上昇
ドル/円は0.77%高の148.84円と、4月3日以来の高値を更新。ドルは対ユーロでも上昇し、ユーロ/ドルは0.51%安の1.1603ドルと、6月25日以来の安値を更新。英ポンド/ドルは0.28%安の1.3389ドルと、6月23日以来の安値を付けた。
労働省発表の6月のCPIは前月比0.3%上昇し、前月の0.1%上昇から加速、1月以来の大幅な上昇となった。前年比は2.7%上昇、5月は2.4%上昇だった。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.2%、前年比2.9%上昇した。5月は前月比0.1%、前年比2.8%上昇していた。
INGの米国担当チーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「コア指数の伸びが予想をわずかに下回ったことで、FRBが9月に利下げを再開する可能性は残っている」としながらも、7月と8月のCPIで思わしくない数値が出るリスクがあるとし、「FRBが12月より前に動くには、雇用統計の明確な悪化などが条件になる」と述べた。
金利先物市場が現在織り込む年末までの利下げ幅は44ベーシスポイント(bp)。CPI統計発表前は約48bpだった。ただ、FRBによる利下げ再開の時期の予想は9月と、変わっていない。
トランプ氏は先週、メキシコ、日本、カナダ、ブラジル、欧州連合(EU)などの貿易相手国・地域に対し相次いで新たな関税率を通知。ただ、市場はこれまでのところ大きく反応していない。スタンダードチャータード(ニューヨーク)のグローバルG10外為調査・北米マクロ戦略責任者、スティーブ・イングランダー氏は「4月以降に見られた米中関税戦争のような大規模なエスカレーションに発展するのか、それとも何らかの合意に向けて進むのか、見極めようとする動きが出ている」としている。
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは3.04%安の11万6571ドル。前日は初めて12万ドル台に乗せ、過去最高値を更新していた。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 30年債利回りが6週間ぶりの高水準を付けた。15日発表された米消費者物価指数(CPI)は、連邦準備理事会(FRB)が年内の利下げ再開に慎重な姿勢を維持する可能性を示唆した。
指標となる10年国債利回りは6.4ベーシスポイント(bp)上昇の4.487%。一時、4.491%と6月11日以来の高水準を付けた。
30年債利回りは4.5bp上昇の5.018%。一時、6週間ぶりの高水準となる5.022%を記録した。アナリストは、同利回りが重要なテクニカル水準となる5%を突破したことでさらなる売りが誘発され、利回りを押し上げたとの見方を示した。
2年債利回りは5.6bp上昇の3.957%。一時、6月20日以来の高水準となる3.963%まで上昇した。
2・10年債の利回り格差は53.2と、前日終盤の53.1からほぼ変わらず。CPI発表直後は、FRBが利下げを急がないとの見方を反映し、44.5bpを付ける場面もあった。
米労働省の労働統計局(BLS)が発表した6月のCPIは前月比0.3%上昇し、前月の0.1%上昇から加速、1月以来の大幅な上昇となった。前年比は2.7%上昇、5月は2.4%上昇。ロイター調査によるエコノミスト予想は前月比0.3%上昇、前年比2.6%上昇だった。
ブリンマー・トラスト(ペンシルベニア州)の債券担当ディレクター、ジム・バーンズ氏は、「パウエルFRB議長は、インフレが近づいているという事実を含め、いくつかの点について非常に断固とした姿勢を示している」と指摘。価格上昇の原因を見極めるためには夏季の経済データを注視する必要があり、年内の利下げの行方を巡る判断材料が得られるとの見方を示した。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む年内の利下げ幅は計約44bp。10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに動く確率は約79%と予想している。一方、9月のFOMCでの利下げ確率は約53%と、数週間前の80%から低下した。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)はCPIの発表を受けて全面的に上昇。5年物は2.501%、10年物は2.411%と、それぞれ3月終盤、2月以来の高水準を付けた。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 消費者物価指数(CPI)や銀行決算を受けてダウ工業株30種とS&P総合500種が反落して取引を終えた。一方、ナスダック総合は半導体大手エヌビディアの上昇に支えられ、前日に続き過去最高値を更新した。
ナスダックの最高値更新は過去5営業日で4回目、6月27日以降では8回目。
エヌビディアは4%高。人工知能(AI)半導体「H20」の中国向け販売を再開すると発表したことを好感した。
これを受け、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とスーパー・マイクロ・コンピューターもともに6.4%超上昇した。
フィラデルフィア半導体指数は1.3%上昇して1年ぶり高値、S&P情報技術指数も1.3%高で過去最高値を付けた。
コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのシニア投資調査アナリスト、ロブ・スワンケ氏はCPI統計について「関税が経済に波及し始めているという印象を与える」とした上で、「決算シーズンが進むにつれて、関税引き上げの影響に企業がどう対処しているか、より具体的な情報が明らかになるだろう」と述べた。
第2・四半期決算を発表した銀行株は不安定な値動きとなった。JPモルガン・チェースは2025年の純金利収入(NII)見通しを上方修正したものの、株価は0.7%下落。ウェルズ・ファーゴも増益を発表したが、5.5%安となった。
一方、シティグループは3.7%上昇し、世界的な金融危機以来の高値で終了。第2・四半期決算が25%増益となったことを好感した。
米取引所の合算出来高は168億2000万株。直近20営業日の平均は175億5000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米早期利下げ観測の後退を背景としたドルの上昇に圧迫され、続落した。
中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比22.40ドル(0.67%)安の1オンス=3336.70ドル。
米労働省が朝方発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、総合が前年同月比2.7%上昇、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアが2.9%上昇。伸び率はいずれも前月から拡大し、トランプ政権が発動した高関税政策の影響が顕在化しつつあると受け止められた。
米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの間では今のところ、高関税による物価押し上げ圧力は限定的との見方が優勢。しかし、8月1日に相互関税の上乗せ分が発動されれば、 物価動向の見極めはさらに困難になり、利下げ再開が遅れるとの警戒感が根強い。このため、CPIの発表後にドル指数が上昇し、ドル建てで取引される金は割高感を嫌気した売 りに押されてマイナス圏に転落した。
ただ、翌16日に米卸売物価指数(PPI)の発表を控えているほか、米国と貿易相手 国との交渉の進捗(しんちょく)を待ちたいとの思惑もくすぶり、取引終盤は下げ幅をやや縮小した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国による対ロシア制裁を巡る警戒感が後退する中、対ユーロでのドル高を背景に売られ、続落した。
米国産標準油種WTIの中心限月8月物は前日清算値(終値に相当)比0.46ドル(0.69%)安の1バレル=66.52ドルだった。9月物は0.44ドル安の65.37ドル。
トランプ米大統領は14日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、50日以内に停戦 合意に応じなければ、高関税を含む経済制裁を課す考えを表明した。ただ、トランプ氏は 制裁の即時発動を避け、50日間の交渉余地を残したことで、対ロシア制裁の厳格化に伴うエネルギー供給不安が後退し、原油相場を圧迫した。
米労働省が発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇と、伸び率は前月(2.4%)から加速。市場予想と並んだものの、米関税政策を受けて物価上昇の兆しが見られたとの見方から、対ユーロなどの主要通貨でドル買いが優勢となった。ドル建てで取引される商品の割高感につながり、原油が売られた。
石油輸出国機構(OPEC)は15日に公表した月報で、2025年と26年の世界の 石油需要見通しを前年比で日量130万バレル増。前月予想から据え置かれたため、相場への影響は限定的だった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 148.86/148.
89
始値 147.73
高値 149.01
安値 147.69
ユーロ/ドル NY終値 1.1599/1.16
03
始値 1.1681
高値 1.1690
安値 1.1594
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*25.5 5.0229
0 %
前営業日終値 96*17.5 4.9730
0 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*03.0 4.4913
0 %
前営業日終値 98*19.0 4.4270
0 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*07.0 4.0502
0 %
前営業日終値 99*16.5 3.9830
0 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.7 3.9545
5 %
前営業日終値 99*23.1 3.8980
3 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 44023.29 -436.36 -0.98
前営業日終値 44459.65
ナスダック総合 20677.80 +37.47 +0.18
前営業日終値 20640.33
S&P総合500種 6243.76 -24.80 -0.40
前営業日終値 6268.56
COMEX金 8月限 3336.7 ‐22.4
前営業日終値 3359.1
COMEX銀 9月限 3811.0 ‐63.2
前営業日終値 3874.2
北海ブレント 9月限 68.71 ‐0.50
前営業日終値 69.21
米WTI先物 8月限 66.52 ‐0.46
前営業日終値 66.98
CRB商品指数 302.7000 ‐0.6903
前営業日終値 303.3903
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