- 2025/07/30 掲載
「米大陸横断鉄道」誕生へ、ユニオン・パシフィックがノーフォーク・サザン買収
[29日 ロイター] - 米鉄道最大手ユニオン・パシフィック は29日、同業ノーフォーク・サザン を850億ドルで買収すると発表した。実現すれば米鉄道業界最大のM&A(合併・買収)で、業界の悲願とされてきた太平洋岸と大西洋岸をつなぐ「大陸横断鉄道」が誕生する。
1株当たりの買収額は320ドル。初めて買収が報道された17日のノーフォーク・サザン株終値に18.6%のプレミアムを乗せた水準だ。
ユニオン・パシフィックは米西部に強力な事業基盤を持ち、ノーフォーク・サザンは主に東部諸州に路線を展開している。統合後の時価総額は2500億ドル、シナジー(相乗)効果はおよそ27億5000万ドルと想定されている。
この取引は、統合によって料金引き上げや輸送の混乱、失業などの懸念が浮上しており、規制当局による承認審査手続きは長引きそうだ。1996年のユニオン・パシフィックとサザン・パシフィック合併は一時的に南西部の貨物輸送に一時重大な支障が生じた。
ただトランプ政権下で反トラスト法(独占禁止法)の運用が緩和され、ユニオン・パシフィックはそうした機会に乗じたとの見方も出ている。
鉄道会社の規制監督を行う陸上運輸委員会(STB)のフックス委員長は1月、予備的な審査の迅速化と合併に関して柔軟に対応する方針を示した。
ユニオン・パシフィックとノーフォーク・サザンは、2027年初めには統合手続きが完了すると見込んでいる。
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