- 2026/03/07 掲載
中東緊迫化で海上輸送停滞=原油調達に懸念、自動車減産も
米国とイスラエルによるイラン攻撃で、中東と日本を結ぶ海運がまひし、輸出入が停滞している。日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社が出資するコンテナ船会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)は、ペルシャ湾発着の新規貨物の受付予約を停止。輸出停滞で自動車メーカーに減産を検討する動きも出ており、影響が広がっている。
日本は原油輸入の9割を中東に依存し、大半をホルムズ海峡を往来するタンカーで輸送している。イランがホルムズ海峡を事実上封鎖し、6日時点でペルシャ湾内には日本関係船舶45隻が取り残されている。封鎖前に海峡を通過したタンカーは20~30日をかけて順次、日本に到着するため、原油輸入が途絶えるまでには一定の時間があるものの、海運大手は「原油調達には(海上輸送以外の)代替手段がない」と焦りを募らせる。
また、日本から中東への輸出は近年、拡大してきた。25年には約4兆6360億円に達し、その約半分は自動車が占める。しかしトヨタ自動車は、中東向け国内生産を月末まで2万台減産する方向で検討。別の自動車大手も「他地域への輸出に切り替える可能性がある」という。
自動車業界では、経済成長や人口増加を背景に、欧米や東南アジアの「次の市場」として中東への関心が高まっていた。それだけに、混乱が長期化すれば「戦略の見直しを強いられる」(政府関係者)との懸念は大きい。
日本の海上輸送は、ホルムズ海峡の奥、ペルシャ湾内のアラブ首長国連邦(UAE)の港を利用するケースが多い。トランプ米大統領は同海峡で米海軍が原油タンカーを保護する方針を表明したが、具体化は見通せない。海運事業者でつくる日本船主協会の長沢仁志会長(日本郵船会長)は4日、「船員、船体、貨物の安全確保を確認した上でなければ航行再開はできない」と述べ、慎重に判断する考えを示した。
【時事通信社】
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