• 2025/08/01 掲載

米関税、不確実性の「霧晴れず」=物価上振れ、難しい利上げ判断―日銀

時事通信社

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日銀は米関税政策が内外経済に及ぼす影響はなお見極めにくいと判断した。日米の関税交渉は合意したが、日本に課される相互関税の税率は現行の10%から15%に上がる。植田和男日銀総裁は「一気に霧が晴れることはない」と慎重姿勢を崩さなかった。一方で、食料品を中心に値上げの動きは止まらず、物価は上振れしている。追加利上げに向け、日銀は難しい判断を迫られそうだ。

「税率という不確実性は若干低下したが、ある程度高い関税がかけられた際の経済への影響がどうなるのかはこれからだ」。植田総裁は31日の記者会見で、日米の関税交渉合意を評価しながらも、不透明要因は完全には払拭できていないとの認識を示した。

今後、関税の影響で輸出企業を中心に収益環境が悪化すれば、来年の賃上げの勢いをそぐ恐れがある。日銀が目指す賃金と物価がともに上昇する好循環が頓挫しかねず、日銀はさらなる利上げに踏み切れずにいる。

ただ、コメなど食料品価格の上昇でインフレ圧力は強まっている。消費者物価指数(除く生鮮食品)は3年以上も日銀が目標とする2%を上回り、6月は3.3%の伸びとなった。日銀は7月31日の金融政策決定会合で2025年度の物価上昇率見通しを大きく上方修正した。

金融市場では、既に年内の利上げの可能性を織り込みつつあり、経済界からは、日銀に対し「(利上げ判断が)遅れ過ぎることのないようお願いしたい。物価の番人として、あまりにも遅れ過ぎるのは大失策」(経済同友会の新浪剛史代表幹事)と物価高への対応を催促する声も上がる。

植田総裁は今後、「利上げの是非やタイミングを毎回の決定会合で適切に判断していく」と説明した。日銀は利上げが遅れて後手に回るとの見方には否定的で、関税の影響を慎重に見極める時間的余裕があるとの立場。年内の利上げに踏み切るかは流動的だ。

【時事通信社】 〔写真説明〕金融政策決定会合を受け、記者会見で質問を聞く日銀の植田和男総裁=31日午後、日銀本店

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