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- 2025/12/26 掲載
カインズも入り込めない…関西最強コーナンが「総取りしてる」うま味だらけの成長市場
【連載】流通戦国時代を読み解く
みずほ銀行の中小企業融資担当を経て、同行産業調査部にてアナリストとして産業動向分析に長年従事。分野は食品、流通業界。執筆、講演活動中で、TV等マスコミで情報発信中、連載記事は月6本以上。主な著作物に「図解即戦力 小売業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書」(技術評論社)、「小売ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)などがある。
ホームセンターが儲かる地域、儲からない地域とは?
はじめに、ホームセンターがどのような業態なのか、簡単に説明しておきたい。ホームセンターとはその名の通り、家回りの商品を品揃えしていて、列挙するなら、DIY、エクステリア、園芸ガーデニング、日用雑貨・家庭用品、インテリア・家具、ペット、カー・レジャー用品、といったジャンルの商品を幅広く取り揃えた、大型の店ということになる。こうした品揃えを見れば分かると思うが、この手の需要は、「広い庭付き、駐車場付きの一戸建てに住む人」がメインターゲットになるため、大都市中心部の集合住宅や狭小住宅に暮らしていると、ホームセンターに大した用事は生まれにくい。
さらに、ホームセンターで扱う商品は、サイズが大きくかさばるものが多い。そのため来店手段はクルマが前提となり、広い駐車場の確保が欠かせない。この条件を考えると、店舗立地は必然的に郊外のロードサイドに集中することになる。
下図は、都道府県別の人口1人あたりのホームセンター販売額一覧だが、首都圏、京阪神といった大都市部の販売額は少なく、地方の方が大きくなっているのは、こうした理由によるものだ。
ちなみに、東日本のほうが、相対的に数字が大きくなる傾向があるのは、冬季需要(除雪や冬用タイヤのような需要)があるからだという。そして、地方、郊外の家回りに関する需要なので、人口が減りつつあるこの国では、その市場規模は縮小こそ免れているが、長らく横ばいで推移してきた。
【図解】ランキングで見る「上位企業の顔ぶれ」の変化
下図は市場規模などのデータだが、2000年代以降ずっと横這いの中、店舗数が増えて競争が激化している様子が分かると思う。となると、小売業界で起きることと言えば、再編統合と寡占化の進行ということになる。下図が業界の2000年のランキングと2024年とを比べたものになるが、業界2位のDCMがかつての有力企業を統合してできていることが分かると思う。ホーマック、カーマ、ダイキという上位3社が統合してできたDCMは数多くのホームセンターを統合して今がある。ただ、さらに言うなら、かつてのトップ、カインズは同業の統合なしでもDCM連合を上回って、いまだにトップに君臨している。
これでも分かるように、ホームセンター最強はカインズであり、その他の企業は、このトップに対抗するため、統合したり、棲み分けたりして生き残っている。そうした中、独自の戦略で首位カインズに迫る企業がある。それがコーナンだ。ここからは、コーナンの戦略を解説していきたい。
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