- 2025/08/01 掲載
フジテック、再上場視野=創業家は経営関与せず―欧ファンドEQT
エレベーター大手フジテックの買収を決めたスウェーデンの投資ファンドEQTは31日、株式を非上場化した上で着実に成長戦略を実行し、再上場を検討する方針を明らかにした。また、「物言う株主」との対立が表面化したフジテックの創業家は経営に関与しない見通しも示した。
原敬信EQTパートナーが同日、単独インタビューに応じた。原氏は「再上場が十分視野に入る」と指摘。時期については「5~7年くらいの時間軸を見据えることが一般的」と語った。
EQTは今後、遠隔監視技術や生成AI(人工知能)を活用し、保守や点検の効率化に取り組む。原氏は「グローバル市場に合致した製品開発の在り方なども検討したい」と強調。インドなど海外市場の開拓も支援する方針だ。
EQTは来年1月をめどにフジテックに対し1株5700円でTOB(株式公開買い付け)を始める計画で、買収総額は約4078億円に上る見通し。フジテックは買収提案に賛同しており、TOB成立後は上場廃止となる。
同社を巡っては、香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントと創業家が対立するなど経営の混乱が続いていた。創業家側は買収を行う特別目的会社などの株式を約15%保有するものの、経営には関与しないという。
EQTは2024年にベネッセホールディングスの創業家グループと連携し自社買収(MBO)を行った実績がある。今後も日本を重点市場と位置付け、「積極的に投資をしていく」考えだ。
【時事通信社】
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