- 2025/08/02 掲載
NY外為市場=ドル急落、147円台 雇用統計軟調で利下げ観測高まる
労働省が発表した7月の雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加数が7万3000人と予想の11万人に届かなかったほか、過去2カ月分の雇用者数も下方修正され、労働市場が急激に悪化している可能性が示された。
マネーUSA(ワシントン)の取引部門ディレクター、ヘレン・ギブン氏は「誰もが予想していたより悪かった。追い打ちをかけるように前月分も下方修正された」と述べた。
FRBが午後遅くにクグラー理事が8日付で退任すると発表したことを受け、ドルは下げ幅を拡大した。クグラー氏は今週の連邦公開市場委員会(FOMC)を欠席。任期は来年1月までだった。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は1.23%安の98.80。
ドル/円は2.23%安の147.37円。
ユーロ/ドルは1.37%高の1.1571ドル。ただ一時は1.1389ドルまで下落し、6月10日以来の安値を付けていた。
FRBは今週開いたFOMCで金利据え置きを決定。利下げを急がない姿勢を改めて示した。ただ、雇用統計が軟調だったことで利下げ観測が高まり、市場が見込む年末までの利下げ幅は現在0.63%ポイントと、前日の約0.34%ポイントから拡大。FRBが利下げを再開するのは9月との予想が大勢になっている。
FRBが9月16─17日の次回FOMCで利下げに踏み切るかは、9月5日に労働省が発表する8月の雇用統計次第になる。マネーUSAのギブン氏は、パウエルFRB議長が今週のFOMC後の記者会見で、次のFOMCまでに2回の雇用統計が発表されると言及したことに触れ、「2回のうち最初の7月の雇用統計がこれほど悪かったことを踏まえると、労働市場は明らかに冷え込んでおり、9月に発表される8月の雇用統計の重要度が高くなっている」と述べた。
ハト派的なFRBはドル相場に対する重石になる可能性がある。キャピタル・エコノミクスの副チーフ市場エコノミスト、ヨナス・ゴルターマン氏は「ドルは下半期に強含むとのいうわれわれの予測は、米経済が堅調さを維持し、FRBは2026年まで金利を据え置くとの見方に基づいているが、こうした見通しの実現可能性は明らかに低くなった」と指摘。「景気後退シナリオの下では、ドルは高リスク通貨に対し上昇する可能性があるものの、円やユーロなど低金利通貨に対しては下落する公算が大きい」との見方を示した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.65%安の11万3432ドル。
ドル/円 NY終値 147.36/147.39
始値 150.36
高値 150.59
安値 147.30
ユーロ/ドル NY終値 1.1584/1.1587
始値 1.1412
高値 1.1597
安値 1.1392
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