- 2025/08/06 掲載
米家計債務、第2四半期は1%増 学生ローンで延滞増加
[ニューヨーク 5日 ロイター] - ニューヨーク連銀が5日発表した第2・四半期の家計債務・信用報告書によると、米国の家計債務総額は前四半期比で1%増加し、18兆3900億ドルとなった。学生ローンや一部の住宅ローンで返済が滞るケースが増えている。
総債務は1850億ドル増加した。このうち住宅関連債務は1310億ドル増の12兆9400億ドルだった。
第2・四半期中に何らかの延滞状態に移行した債務の全体に占める割合は4.4%と、「高い水準」が続いた。
債務の種類別では、住宅ローンとホームエクイティローンの延滞は第1・四半期から「小幅な上昇」にとどまったが、学生ローンは「大幅に」増加した。これは、学生ローンの返済猶予措置が最近終了し、信用情報機関への延滞報告が再開されたことを受け、予想されていた。
報告書によると、学生ローンの10.2%が90日以上延滞している。連銀はこの問題が今後も続くとみている。
学生ローン全体の残高は1兆6400億ドル。学生ローンの問題は、他の種類の借り入れにも影響を与え、経済全体に影響を与える可能性がある。
連銀の経済政策アドバイザー、ジョエル・スカリー氏は「住宅ローンの延滞は最近増加しているが、歴史的な基準から見ると、全体のパフォーマンスは依然として堅調だ」と述べた。
ただ、連銀の研究者は報告書に付随するブログで、連邦住宅局(FHA)の住宅ローンで問題が顕著になっていると指摘。
「FHA住宅ローンは最近、延滞率が最も急上昇しており、四半期ごとに30日以上の延滞に移行する割合が4%を超えている」と指摘。また、この種の延滞は米南部とプエルトリコでより多く見られるという。
一方で、現在の高い延滞率は、パンデミック中に見られた人為的に低い延滞率の反動かもしれないと注意を促した。
今後、住宅価格が下落し続ければ、より多くの借り手が評価損に陥り、住宅関連債務に圧力がかかる可能性があるという。
その他、第2・四半期にはクレジットカード債務が前期比270億ドル増の1兆2100億ドルに、自動車ローン債務が130億ドル増の1兆6600億ドルになった。自動車ローンの増加の一部は、関税導入前に自動車を購入しようとする動きと関連しているという。
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