- 2025/08/07 掲載
インド中銀、金融緩和終了の可能性も=アナリスト
[ムンバイ 6日 ロイター] - インド準備銀行(RBI、中央銀行)のインフレ率と経済成長の予想を踏まえてアナリスト6人が6日、RBIは金融緩和局面を終えて利下げが打ち止めになった可能性があるとの見方を示した。RBIはこの日、主要政策金利のレポレートを5.50%に据え置くことを決めた。
ロイターのアナリスト調査では今回の局面であと1回の25ベーシスポイント(bp)の利下げがあると予想されていたが、アナリストの一部は見方を変えている。
米シティグループのチーフエコノミスト、サミラン・チャクラボルティ氏は「8月の会合での金融政策の性格と経済成長とインフレの予想を考慮すると、直ちに利下げする余地はほとんどない」と指摘。シティは以前にはRBIが8月に25bp下げてレポレートを5.25%にすると予想していたが、現在は今回の利下げ局面では5.50%に据え置かれると見込んでいる。
RBIは2026年1―3月期のインフレ率が前年同期比4.4%になるとの予想を据え置き、26年4―6月期には4.9%に拡大すると予測している。
インドの6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.1%上昇と6年超ぶりの低い伸び率になり、今月12日発表される7月のCPIは記録的な低水準になると予想されている。
ただ、RBIのマルホトラ総裁は、CPIの急激な鈍化は変動の激しい食品価格によるもので、年末にかけて拡大する可能性が高いとの見方を示した。
DBS銀行のシニアエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は「1年後を見据え、26年4―6月期のインフレ率予測の4.9%とレポレートの5.50%を考慮すると、実質金利のバッファーは大幅に縮小する。レポレートの到達金利は年内に5.50%で据え置かれる公算が大きい」と指摘した。
キャピタル・エコノミクス、バローダ銀行、コタック・セキュリティーズ、エーデルワイス・ミューチュアル・ファンドのアナリストらも、RBIが金融緩和局面を終えた可能性があると指摘した。
キャピタル・エコノミクスの新興市場担当副チーフエコノミスト、シラン・シャー氏は「本日の政策発表には、緩和局面が終了したとの見方を変更する要素はほとんどない」と語った。
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