- 2025/08/07 掲載
米相互関税が発動、日本は15% 供給網に影響へ
[7日 ロイター] - トランプ米政権は7日、各国・地域に対する相互関税の新たな税率を発動した。日本に対する関税率は15%。
米国の貿易赤字を縮小するという同氏の戦略が、世界のサプライチェーン(供給網)への大規模な影響やインフレ加速、貿易相手国からの報復を引き起こさずに実現するか試されることになる。
税関・国境取締局(CBP)は米東部夏時間午前0時01分(日本時間午後1時01分)、新たな関税の徴収を開始した。CBPが今週出した通知によると、午前0時の期限までに米国行き船舶に積み込まれ輸送中だった貨物は、10月5日まで従来の関税率で輸入できる。
トランプ氏が4月上旬に相互関税の上乗せ分を一時停止したことを受け、多くの国からの輸入品にはこれまで10%の基本税率が適用されていた。
ただその後、トランプ氏は頻繁に計画を修正し、ブラジルからの輸入品に計50%、スイスに39%、カナダに35%など一部の国に非常に高い関税を発表した。
トランプ氏は発動直前に「相互関税はきょう深夜に発動される!」と交流サイト(SNS)に投稿。「主に米国を長年利用してきた国々から何十億ドルもの資金が入ってくることになる」と書き込んだ。
米国の貿易の約4割を占める8つの主要貿易相手国はトランプ政権と貿易・投資の枠組みで合意し、欧州連合(EU)、日本、韓国は15%への関税引き下げを確保した。
英国の関税率は10%、ベトナム、インドネシア、パキスタン、フィリピンは19%または20%への引き下げで合意した。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所の上級研究員で貿易専門家のウィリアム・ラインシュ氏は「これらの国にとってはそれほど悪いニュースではない」と指摘。
また「サプライチェーンの再編が起こり、新たな均衡が生まれるだろう」とし、「価格は上昇する見込みだが、顕著に現れるまでにはしばらく時間がかかるだろう」と述べた。
アトランティック研究所の試算によると、米国の平均関税率は1月の第2次トランプ政権発足時の2.5%から約20%に上昇し、過去1世紀で最も高い水準となる見通し。
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