- 2025/09/08 掲載
日経平均は一時800円高、TOPIX最高値 円安や政策期待が優勢
[東京 8日 ロイター] - 8日の東京市場で日経平均は一時800円超高に上昇し、TOPIXは史上最高値を更新した。石破茂首相の辞任表明を受けて為替が円安方向に振れたことや、先行きの国内経済対策、日銀が利上げを急がないとの思惑が支援している。
首相の辞任表明を受けて、自民党では総裁選に向けた動きが加速するとみられている。市場では「政局が安定化に向かうなら日本株にはポジティブ」(アセットマネジメントOneの浅岡均チーフストラテジスト)との声がある。
為替市場でドル/円が148円台半ばへと円安に振れていることも株価にはポジティブに作用しやすい。石破首相は消費税の引き下げに慎重姿勢を示していたことから、政権退陣なら財政懸念による円売りという構図とみられる。自民党の総裁選実施は9―10月にかかるとみられており、日銀が利上げを急がないとの思惑も為替の円安を促し得る。
為替市場では「短期間に150円を超えていくことにはならないだろうが、日本の政局など今後の推移によって、150円超えの可能性も考えておく必要がある」(三菱UFJ銀行の井野鉄チーフアナリスト)との見方が聞かれる。
東証33業種のうち不動産、サービス、電気機器など30業種が上昇している。石破首相より財政拡張に前向きな総裁が誕生する可能性が意識されており、景気刺激策への思惑も株価の支えになっている。
前週末に発表された米雇用統計後の米株安は投資家心理の重しに意識されるものの、市場は過度な悲観には傾いていない。市場では「米国の利下げを正当化しながら景気後退するほどではないという、ぎりぎりのラインを維持した」(アセマネOneの浅岡氏)との受け止めがある。
次期政権による財政拡張的な政策への思惑は超長期金利の上昇圧力となる。次の党総裁候補はまだ固まっていないものの、財政規律へのスタンスは良くて石破氏と同等か、弛緩することが意識されやすいとして「財政不安の継続あるいは強まりが超長期金利の上昇要因だ」と三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストはみている。
足元の株式市場では超長期金利の上昇圧力の高まりへの警戒感は高まっていないが「財政リスクプレミアムが上昇して金利の上昇基調が強まるようなら、株式市場でもリスク回避に傾きかねない」(りそなホールディングスの武居大暉ストラテジスト)との見方もあり、目配りは必要になりそうだ。
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