- 2025/09/30 掲載
再送-インタビュー:5年後に株式引受とM&A助言で国内首位へ=みずほ証券社長
(本文2段落目の表現を一部修正しました)
Miho Uranaka
[東京 30日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券の浜本吉郎社長はロイターとのインタビューで、株式資本市場(ECM)分野で5年後をめどに国内トップを目指す考えを明らかにした。すでに一定の地位を確立している債券資本市場(DCM)と並ぶ柱としてECMの存在感を高める方針で、M&A(合併・買収)助言を強化して国内首位を目指すほか、世界に広がる販売網を通じて案件獲得力の底上げを図る。
同社は2025年度上期、国内ECMリーグテーブルで僅差の首位となったもようだが、浜本社長は「悲願の1位だが、恒常的に(その地位を)維持するにはまだ距離がある」と話す。
日本株販売や調査部門との連携を加速させ「セカンダリーやリサーチ基盤を強化することで、IPO(新規株式公開)や増資といったプライマリー案件の獲得につなげる」という。日本株への関心が高い海外投資家を取り込むため、世界主要拠点に40人超の日本株セールスを配置した最大規模の販売網を活用し、企業の資金調達を支援する。
さらに、グループ横断の顧客アカウントごとのプラン策定を行い銀行や信託との連携も強めるほか、内部の情報の可視化や、長期的成果を評価に反映する制度を導入するなど、運営改革を続ける構えだ。
M&A分野では、2023年には米助言会社のグリーンヒルを買収、今年7月には英国の再生可能エネルギー専門助言会社オーガスタ買収を公表した。
浜本社長は、グリーンヒルの買収により「ソリューションは圧倒的に広がった」としつつ、「もっと大事なのは社内のインテグレーション(統合)」と語る。日米に比べ欧州では人材不足のために連携も手薄で、エネルギーやデータセンターなどインフラ投資の分野を中心に人材を補充し、買収後の統合の実効性を高め組織能力につなげたい考えだ。
M&Aについては「まだ大きな成長余地がある」とし、国内首位を狙う姿勢を示した。
日本のECM分野は長年、野村証券が市場をリードしてきたが、近年では日本株・ECM対応の強化が業界全体の共通テーマとなってきている。三井住友フィナンシャルグループは今月、米投資銀行ジェフリーズへの追加出資と国内外の日本株関連事業を統合する方針を公表した。
浜本社長は、ECM分野での競争が進む中、案件獲得に当たり「重要なのは販売力だけではなく、M&Aや事業再編など企業の経営戦略そのものに早い段階から深く関与することだ」と強調。「投資銀行が経営層のパートナーとして伴走する姿勢が欠かせない」と述べ、単なる資金調達の引き受け役にとどまらず、企業の戦略的課題に踏み込むことで信頼を得ていく姿勢を示した。
※インタビューは19日に実施しました。
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