- 2025/10/08 掲載
ソブリン債務再編、進展ある一方で複雑な問題も=IMF報告書
5年ごとに更新するこの報告書は、2020年から25年半ばまでの再編事例を基に、民間債権者が関与した8件から得られた教訓を引き出している。
最も進展があったのは債券の再編で、5件で集団行動条項が行使され、賛成票を多く集めた。スリナム、ガーナ、ザンビア、ウクライナといった国々の債券の交換を成功させるために、さまざまな種類の投票が用いられた。スリランカの22年満期債のみが係争中となっている。
報告書は「国際債の再編は、強化された集団行動条項によって効果的に促進され、非常に高い債権者参加率を実現した」と評価した。
一方、ガーナ、スリランカ、ザンビア、スリナムでは、ローン債権者との交渉が未解決のまま。ローン契約における多数決条項の欠如や債権者グループの分断などが問題となっている。
IMFは「債権者間の調整が限られているため、債務者は各債権者と交渉しなければならず、キャパシティーが限られる国にとっては非常に時間とコストがかかる」と述べている。
担保付債務、つまり資産プールを裏付けとする債務の増加が課題となっており、各国は天然資源収入や国有企業の株式、あるいは自国の債券など、あらゆるものを担保として差し入れている。
IMFは、債権者がより良い条件を要求したり、再編に全面的に抵抗したりすることがあるため、これが再編における公平な負担の障害になると指摘している。
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR