- 2025/10/20 掲載
日銀、25年度GDPを小幅上方修正の可能性 関税影響後ずれ=関係筋
Takahiko Wada Leika Kihara
[東京 20日 ロイター] - 日銀が29、30日の金融政策決定会合で議論する「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、今年度の実質国内総生産(GDP)見通しを引き上げる可能性があることが分かった。複数の関係筋が明らかにした。米国の関税政策の日本経済への影響がそれほど顕在化しておらず、経済下押しのタイミングが後ずれすることが主因で、日銀では、関税の影響が今後出て、経済がいったん下押されるとのシナリオは変わらないとの声が多い。
前回7月の展望リポートでは、25年度の実質GDPの政策委員の予測中央値は前年度比0.6%増、26年度は0.7%増だった。25年度については海外経済が底堅く推移、9月調査の日銀短観も良い結果だったとの指摘があり、小幅に引き上げられる可能性がある。25年度が上方修正される半面、26年度はその分、下方修正される可能性がある。
7月の展望リポートでは、コメをはじめとする食料品価格の高騰を反映して25年度の物価見通しを大幅に引き上げたが、同リポート公表以降の物価指標はおおむね想定通りに推移しているとの声が日銀では多い。
経済や物価の見通しを巡るリスクバランスも変化がないとみられる。前回リポートでは、経済の見通しについて25年度、26年度ともに「下振れリスクの方が大きい」とする半面、物価見通しは「おおむね上下にバランスしている」とした。経済について、25年度は上方修正の可能性があるものの、関税影響に伴う下振れリスクの方が依然として大きいとの見方が日銀では出ている。
日銀は経済・物価見通しの確度が上がっていけば、その度合いに応じて政策調整していく方針だが、利上げ再開に当たって、最重要となるのは米経済の先行きをどう判断するかだ。植田和男総裁は16日の会見で、10月の決定会合では米国で自身が収集した情報に加え、10月末にかけて出てくるデータや情報を加味した上で議論すると説明した。日銀では、米政府閉鎖の余波で発表される重要指標が減少しており、各種情報をもとに見通しをどう立てるかが重要との声が出ている。
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