- 2025/10/27 掲載
米企業、消費の二極化に直面 低所得層の苦境強まる
飲料メーカーや玩具メーカー、ホテル経営者、金融サービス提供者などは、富裕層が米国全体の支出を支える一方、低所得世帯は購入を停止したり、先送りしたりしていると指摘する。
日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のアンドレ・シュルテン最高財務責任者(CFO)は「消費者行動に二極化が起こっている」と述べた。
同社やコカ・コーラなどは低所得層をターゲットとした小型サイズの製品を試験的に導入している。コカ・コーラのジョン・マーフィーCFOは「当社は米国で高価格帯と低価格帯の両方に対応している」と語った。
こうした中、信用市場では主に低所得層向け融資を扱う金融機関による複数の破産申請で動揺が広がった。
低所得層と富裕層の格差は個々の企業内にも反映されている。
ヒルトンやウィンダム・ホテルズなどホテルチェーンは格安ブランドの業績低迷を報告し、価格に敏感な旅行者を呼び込むため割引を導入した。
玩具メーカーのマテルとハズブロは、小売業者が顧客の慎重姿勢を背景に注文を先送りする中、第3・四半期の玩具売上高が急減した。一方、裕福な消費者をターゲットとするハズブロのゲーム事業は同社の年間見通し引き上げに寄与した。
ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「企業は持てる者と持たざる者の格差拡大による売り上げと利益への影響をますます感じている」とし、「富裕層をターゲットにしていない企業にとっては厳しい事業環境だ」と述べた。
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