- 2025/10/29 掲載
プライベートクレジット市場、大企業融資基準に緩みも=企業幹部
[28日 ロイター] - サウジアラビアの首都リヤドで28日開かれた投資会議で、出席した企業幹部の間から、プライベートクレジット市場における大企業向け融資基準に緩む兆候が見られるとの声が聞かれた。ただ、同市場にリスクの高いバブルが形成されつつあるとの懸念は誇張されているとの見方も示された。
グッゲンハイム・パートナーズのアン・ウォルシュ最高投資責任者は「フューチャー・インベストメント・イニシアティブ」の会議で「リスクは、レバレッジを高め過ぎて十分な流動性がない場合に問題が生じる傾向があることだ」と指摘。ただ「現在プライベートクレジット市場においてさえ、そうした状況は見られない」と述べた。
ウォルシュ氏は、それでも競争が激しい大企業向けの貸し出しでは、レバレッジを高め過ぎて融資基準が緩む兆候があると強調した。
プライベートクレジット市場では、修理・交換用自動車部品メーカーのファースト・ブランズと、サブプライム自動車ローン会社のトライカラーが相次いで破綻したことを受け、緩い融資基準を巡る懸念が浮上した。
リヤドの投資会議に参加した企業幹部は、これらの破綻はプライベートクレジットとはほとんど関係がないとして、こうした懸念を一蹴した。ウォルシュ氏は、同業界は米国の財政・金融政策による景気支援や人工知能(AI)投資ブームといった「多くの追い風」を享受していると話した。
それでも一部の参加者は、ある種の問題が生じつつあると認めた。
フランクリン・テンプルトン傘下のベネフィット・ストリート・パートナーズのデービッド・マンロウ最高経営責任者(CEO)は「大企業向け貸し出しの競争がここ数年、『フロス』が生じる兆候を伴ってプライベートクレジットの利益率を圧縮している」と述べた。
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