- 2025/10/30 掲載
カナダ中銀、2会合連続で0.25%利下げ 利下げサイクル終了も示唆
Promit Mukherjee David Ljunggren
[オタワ 29日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は29日の会合で、政策金利である翌日物金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き下げ2.25%とした。また、インフレと経済の見通しに変化がない限り、利下げサイクルに終止符を打つ可能性を示唆した。
25bp利下げは2回連続となり、金利水準は2022年7月以来の最低水準となった。市場では広く利下げが予想されていた。
中銀は声明で「インフレと経済活動が10月の予測とほぼ一致するよう推移すれば、現在の政策金利が、今回の構造調整期間を通じて経済を支援しつつインフレ率を2%近辺に抑えるのに適切な水準にあるとみている」とした。
マックレム総裁は、今回の金融緩和は、インフレ率を目標である2%に近づけつつ、経済が米国の関税による混乱に対処できるよう支援することを目的としていると指摘。貿易戦争は需要を抑制する一方、多くの企業にとってコスト増加も招いていると述べると同時に、これらの要因は相殺されるとの見通しも示した。
ただ、「カナダ経済の弱さは、単なる景気循環の悪化にとどまらない。構造的な転換でもある」と述べ、これにより、インフレ率を2%に保ちながら需要を押し上げることを目指す金融政策の効果が制限されている可能性があるとの見方を示した。
<25年と26年の成長見通し下方修正>
中銀は、経済の不確実性を背景に3月に発表を中断していた四半期経済予測の発表を再開。 米国の貿易政策の影響を理由に2025年と26年の成長率予想を引き下げ、27年には若干回復するとの見通しを示した。
25年の成長率予想は1.2%とし、前回1月の予測1.8%から大幅に下方修正。26年の成長率予想も、1月時点の1.8%から1.1%に下方修正した。27年には1.6%に回復するとした。
1月時点と比較した下方修正のおよそ半分は、関税のマイナス影響と、潜在的生産に対する不確実性を反映しているという。また、残りは主に米国の貿易政策の悪影響による需要の弱さを反映しているとした。
25年の年間インフレ率予想は平均2.0%とした。1月時点の予測は2.3%だった。26年は2.1%、27年も同水準にとどまると見通した。
マックレム氏は、米国の貿易政策は引き続き予測不可能であるため、起こり得る結果の範囲は通常よりも広いと指摘。「われわれは予測について謙虚になる必要がある。見通しが変われば、対応する用意がある」と述べた。
デジャルダンのマクロ戦略責任者兼マネジングディレクター、ロイス・メンデス氏は、中銀のGDP見通しは「比較的穏当」とし、景気の弱さが長期化するか、新たな衝撃が発生しない限り、中銀は様子見姿勢を維持する可能性があるとの見方を示した。
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