- 2025/10/30 掲載
トヨタ社長、ネクスペリア問題の動向注視 「すぐ欠品にはならず」
[東京 30日 ロイター] - トヨタ自動車の佐藤恒治社長は、オランダに本社を置く中国資本の半導体メーカー、ネクスペリアの輸出を中国政府が規制し、自動車メーカーの一部生産に影響が出ている問題について、「リスク」だとして動向を注視していく考えを示した。トヨタについては「明日にも欠品ということにはなっていない」とした。
佐藤社長は29日にロイターなどとのインタビューに応じ、「少しリスクではあるものの、それがあったからといって突然、大きな半導体供給リスクに今はさらされてはいない」と説明した。
ネクスペリアは、オランダ政府が経済安全保障に懸念があるとして9月末に経営権を掌握。中国政府が同社の製品を禁輸措置にした。自動車に必要な半導体の供給不足でホンダが北米で生産を調整。日本自動車工業会など主要市場の業界団体が生産に影響が及ぶ恐れがあると警告を出している。
半導体製造やモーターなどに必要な希土類(レアアース)も、米中の貿易対立を受けて中国が輸出規制を強化している。経団連副会長を務める佐藤社長は22日、レアアースの安定調達に向けて、経済産業省と議論を重ねていると明らかにしていた。米中は30日に首脳会談を開き、同問題を協議する。
<豊田自動織機のTOB価格>
一方、佐藤社長はトヨタグループによる豊田自動織機の非公開化計画で、資産運用会社など一部の少数株主から算出方法の不透明さなどに批判が出ている株式公開買い付け(TOB)価格について、変更の予定はないとの見解を改めて示した。少数株主にも「しっかりと配慮して(計画を)進めるのは大前提だ」とし、焦って結論を出すよりも「多くのステークホルダーが納得していただけるような透明性の高い進め方をしたい」と話した。
豊田自動織機の株価は4月に非公開化計画が報じらて以降上昇。TOB価格は報道前の過去平均と比べると一定の上乗せ幅があるものの、発表前日の終値からは11%ほど安い。このため、当初より一部の少数株主から「安すぎる」と批判され、トヨタグループが少数株主を排除しようとしているとの声が出ている。
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